SCANDAL、にしな、のんが出演「Billboard JAPAN Women In Music」オフィシャル・レポート到着

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「Billboard JAPAN Women In Music vol.1 Supported by CASIO」撮影:興梠真穂

ビルボードジャパンが主催するライブ・イベント「Billboard JAPAN Women In Music vol.1」が、11月3日に東京・日比谷公園大音楽堂で開催され、SCANDAL、にしな、のんが出演。個性豊かな歌と演奏が秋晴れの空に響き渡った。

このライブは、米ビルボードが2007年から主催するイベント「Billboard Women In Music」の日本版としてスタートしたプロジェクトによる記念すべき第1回目のオムニバス・ライブ。今年100周年を迎える日比谷公園大音楽堂には、祝日ということもあり、性別、世代を越えた大勢の音楽ファンが集まっている様子。開演前のBGMには、シンディ・ローパー「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」、シャナイア・トゥエイン「フィール・ライク・ア・ウーマン」、ドリー・パートン「9:00から5:00まで」といった洋楽女性アーティストの楽曲が流れ、このライブのコンセプトが表現されていた。

MCを務める3時のヒロインの福田麻貴、かなでが影アナで開演を告げると、にしなのライブがスタート。温かい拍手に迎えられて登場したにしなは、バンドと共にノイジーなサウンドを放つと、「スローモーション」を歌い出した。バンドの演奏に乗せた歌唱は、ゆったりとしながらもじわじわと熱量が伝わってきて、オープニングに相応しいものだった。「野音は初めてなのでめちゃくちゃ楽しみにしてきました!」と挨拶して「東京マーブル」へ。バブルガンを持ってシャボン玉を客席に飛ばしながら、軽快にステージを端から端まで歌い歩く姿は、初めての野音のステージを満喫しているよう。

客席からの手拍子に乗りながら披露した「ケダモノのフレンズ」では、しっぽを持ってゆるやかに歌い踊って楽しませた。途中、縦横無尽にステージを動き回るあまり躓き転びそうになる場面もあって苦笑い。「観てました!? 華麗な避け(笑)。」と和ませながら、「シュガースポット」をライブ初披露。「ヘビースモーク」では、呟くような歌声が夕闇に包まれた野音にノスタルジックな余韻を残し、ラストは「青藍遊泳」を丁寧に歌い上げて、見事にイベントスタートの重責を全うした。

転換中には、MCの3時のヒロインが登場し、イベントの趣旨について「唯一無二の個性を持つライブを通して、女性のパワーや多様な可能性を感じてもらいたいと思います。音楽業界含め、いろんな業界のジェンダー格差がなくなって、あらゆるジェンダーの人が輝ける世の中にしていこうというのが、このプロジェクトのコンセプトです」と説明。お笑い界でも、最近は楽屋に子供を連れてきている人もいるそうで、新しい価値観も広まっているという。ここでライブを終えたばかりのにしなが呼び込まれ、「ちょうど今、真っ暗になりましたけど、陽が昇っているところからスタートして、綺麗だなあって思いながら、すごく素敵な時間を過ごさせてもらいました」と感想を語った。また、楽曲を制作する上で自身のジェンダーを意識するか尋ねられると、「すごく強く意識しているわけじゃないですけど、自分自身を大事にするという意味でも、相手を尊重するという意味でも、“あなたはあなた”というスタンスを大切にしています」と答えた。

2番目にライブを行ったのは、俳優・アーティストのん。今年リリースしたアルバムのタイトル「PURSUE」が示すように、理想の女性は「自分がやりたいことを追求(PURSUE)してやり通す女性」との紹介から、バンドメンバーと共にステージへ。鮮やかな真っ赤な衣装に身を包み、トレードマークの赤いテレキャスターを肩にかけると、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとのコラボ曲「Beautiful Stars」からライブがスタート。「にしなさん、SCANDALさんというめちゃくちゃカッコイイ2組に挟まれているから、テンションが上がってます!」とのMCから、「Oh! Oh! Oh!」で軽やかにオーディエンスと声を合わせた。

「しっとりした曲なので、是非座って聴いてください」というひと言からイントロが流れ、どよめきと大きな拍手で迎えられたのは、自叙伝的な楽曲「荒野に立つ」だ。壮大なバラードを歌い上げるのんの姿を、誰もがじっと見つめて聴き入っていた。「こういう3マンイベントに出るのが初めてで、みんなで一緒に音楽を楽しめるのが素晴らしいと思います。本当に胸いっぱいです。今日も明日も明後日もその先も、ずっとみなさんの素敵な日々が続きますように」と、「鮮やかな日々」であたたかなメッセージを贈ってステージを降りた。

3時のヒロインに呼び込まれてステージに戻ったのんは、野音について「仲井戸“CHABO”麗市さんのバンドとの対バン企画が台風で中止になって悔しい思いがあったので、今日バンドでやれて嬉しかったです」と語った。

この日のトリを飾るのはSCANDAL。今年8月に「同一メンバーによる最長活動女性ロックバンド」としてギネス世界記録(TM)に認定されたことが紹介され、黒い衣装に身を包んだメンバーが大歓声に迎えられて登場。お立ち台に上がり声援に応えると、最新シングル表題曲「ハイライトの中で僕らずっと」でライブがスタート。サーチライトが飛び交う中で始まった代表曲の1つ「瞬間センチメンタル」のキャッチーなイントロが奏でられると、客席からは掛け声が自然発生。ライブ序盤から野音は熱狂の渦に包まれた。

その後も歴史を感じるセットリストで、一体感あるパフォーマンスを披露。「30代でSCANDALをやれている今が、めっちゃ楽しいんですよ。自分たちが4人でステージに立っていること、音を繋いでいっていることを、光のように感じてもらえたら」とHARUNAが語ると、盛大な拍手で讃えられた。

今日のイベントにピッタリな曲として「Sisters」で爽やかにエールを送り、ラストはライブ・アンセム「SCANDAL BABY」で大合唱。2番ではHARUNAをMAMI、TOMOMIが囲み、RINAに向かってアイコンタクトしながら演奏するシーンも。最高に熱いラストでイベントを締めくくった。

ライブ終了後のトークでは、RINAが「こういうイベントが開かれるようになって、分かり合えるきっかけが増えたなと思っていて。私たちも、それぞれが大切にしたいことを尊重しながらみんなで生きていければなと思っているので、何も諦めることなく楽しく一緒に生きていけたらなと思います」と思いを吐露した。今後もガールズバンドとして活動していく意気込みを訊かれるとHARUNAが「メンバー4人がそれぞれを思いやりながら、年を重ねて変化を楽しみながらやれるかが大事なことだなと感じているので、その気持ちを忘れずに楽しく過ごしていきたいです」と語り、大きな拍手が送られた。

エンディングでは、にしな、のんも呼び込まれてイベントの感想をひと言。「三者三様でかっこいい女性ミュージシャンと肩を並べることができて、とっても楽しかったです!」(にしな)「にしなさん、SCANDALさんのライブもかっこいいなと思って聴きながら、今日の空間を楽しめて、すごく気持ちよくライブできました!」(のん)。

なお、「Billboard JAPAN Women In Music vol.2」が、2024年2月8日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催されることも発表となった。vol.2では、家入レオ、加藤ミリヤの2組を迎えて、オーケストラとのコラボレーションを通じて女性の力強い歌声を届けていく。

Text:岡本貴之
Photo:興梠真穂

Billboard JAPAN Women In Music vol.1 Supported by CASIO セットリスト

にしな

1.スローモーション
2.東京マーブル
3.FRIDAY KIDS CHINA TOWN
4.ケダモノのフレンズ
5.夜になって
6.U+
7.クランベリージャムをかけて
8.シュガースポット
9.ヘビースモーク
10.青藍遊泳

のん

1. Beautiful Stars
2.やまないガール
3.Oh! Oh! Oh!
4.薄っぺらいな
5.荒野に立つ
6.この日々よ歌になれ
7.こっちを見てる
8.夢が傷むから(Inspired by 東京百景)
9.鮮やかな日々

SCANDAL

1.ハイライトの中で僕らずっと
2.最終兵器、君
3.瞬間センチメンタル
4.夜明けの流星群
5.ピンヒールサーファー
6.CANDY
7.Sisters
8.会わないつもりの、元気でね
9.テイクミーアウト
10.SCANDAL BABY

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