東京初期衝動『RUSH BALL 2023』ライブレポートーー目を離してはいけない、記憶に深く刻まれた鮮烈なステージ

東京初期衝動

『RUSH BALL 2023』東京初期衝動

Tommy february6の「je t'aime ★ je t'aime」がSEで流れると、希（Gt）、あさか（Ba）、なお（Dr）、しーなちゃん（Vo.Gt）がステージに登場し、『RUSH BALL』に2度目の登場となる東京初期衝動のライブがスタート。じっくりと聴かせる「Becauseあいらぶゆー」で視線を引きつけながら、サビで一気に大爆発。しーなちゃんが観客の元へ飛び込む。この瞬間を着火点に、ATMCは熱狂が渦巻いていっく怒涛の展開となる。

直前に出演していた「go!go!vanillasに捧げます！」（しーなちゃん、以下同）と、「高円寺ブス集合」では歌詞を＜バニーラ！バニラgo!go!vanillas！＞に変えて叫ぶ。観客に支えられながら歌うしーなちゃん。とにかく一挙手一投足が様になる。

東京初期衝動

激しくて荒々しいだけでは決してなく、聴き入るメロディーと演奏の爆発力、身に染みたり突き刺さる歌詞の連続に、歌声の強弱……と押し引き、緩急がドラマチックに展開されるから引き込まれる。そんな生々しくも研ぎ澄まされたライブは、一瞬たりとも見逃してはいけない、という刹那的な神々しさと、衝動剥き出しの何が起こるか分からない事件のようなスリルが紙一重で、その場にいる人を当事者にして巻き込むカリスマ性ある。

後半のタイトルコールで歓声が沸いた「再生ボタン」から「ロックン・ロール」の凄み、気迫と同時に込み上げてきたセンチメンタルな想いは、浴びた音と目にした光景と共に永く、濃く記憶に残ると思う。あの場にいた人たちはみんな、きっとそうなのではないか。