大黒摩季、総移動距離41,000kmにおよぶ全国47都道府県ツアー67本を完走 ファイナルには豪華ゲスト&全ツアーサポート・メンバーが集結

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全国47都道府県ツアーファイナル 東京ガーデンシアター公演

昨年5月27日にデビュー30周年を迎えた大黒摩季。6月1日に、北海道・ホーム北海道からスタートさせた全国47都道府県ツアーが先の5月28日、東京・東京ガーデンシアターでおよそ5,000人の観客を集めたファイナル公演をもって幕を閉じた。

自身も12月31日には53歳を迎えながら、総移動距離41,000km、じつに地球1周を越える距離を移動しながら、トータル67本の全国公演を無事に完走した。

25周年を迎えた際にも、全国85本のツアーを完走したものの、その時は1年半掛けてのことであり、また5年前のことである。今回は、12月にシンフォニック・コンサート・ツアーという別プログラムでのツアーを行なったり、30周年ならではということでテレビ・バラエティ番組にも多数出演し、独特のトークで話題をさらったり、さらには12月に新曲・ヒット曲・リミックス曲を収録した3枚組の記念アルバムをリリース、今ツアーのツアー協賛CHAMPAGNE COLLETのCMに初出演するなど、本人が言うように人生史上最大稼働、まさに「自分自身を使い果たして」の1年間を走り切った全国ツアーだったと言える。

東京ガーデンシアターで行われたツアーファイナルは、この日のために新たな演出が組み込まれ、記念アルバムのレコーディングに参加した多数のゲスト・アーティストが加わった。

“作家である私は、ファンの皆様が愛してくれる大黒摩季の黒子だから”と表現された全身黒づくめのロングローブに身を包み、自身の半生を謳った渾身のバラード「Sing」を薄明かりの中歌い上げ、ベルベットの幕が下がるとアルバム・ツアーのタイトル曲であり、TVアニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマ「SPARKLE」のイントロが唸り出す。そして再び幕が上がると今度はゴールドのレスポールとゴールドのミニワンピース、眩い全身ゴールドづくしSPARKLEメインヴィジュアルのROCK MUSE大黒摩季となり、舞台セット最上段から輝かしく再登場。怒涛のヒットメドレーになだれ込んだ。

そんな眩いオープニングコーナーを更に熱く華麗に盛り上げたトップバッターGUESTは、働くエンターテインメント集団、あのエヴァダンスで一世を風靡をしたTeam Black Starz(以下、ブラスタ)。ミリオンヒット曲「DA・KA・RA」に始まり「チョット」「Harlem Night」と、真新しく秀逸なダンスで会場の熱を一気に上昇させた。

輝かしくカラフルなヒットメドレーの粗熱を潤すように中盤は、バンドマスター&キーボーディストの柴田敏孝の抒情的なピアノプレイから徐々にオーガンジーの柔らかな世界へと滲んでゆき、純白のロングドレスに身を包んだ大黒摩季が一歩一歩淑やかに舞い戻ってくる。幻想的な照明に染められながらノスタルジックな大曲「夢の続き」、大黒摩季の真骨頂と言える8ビートのロッカバラード、切なく一途な純愛ラブソング「Come To Me,Once Again」を清らかに歌い上げ、ウェディングドレスほど長いレースの裾がその余韻を漂わせながら大黒が消えてゆくと、場面は灼熱ラテンのリズムとラテンカラーの照明が踊り出し、日本が誇るラテンバンドオルケスタ・デ・ラ・ルスが登場(以下、デラルス)。

熱く吹き上げるブラスセクションと客席の掛け合いから、一気にラテンコーナーへと突入。大黒がオルケスタ・デ・ラ・ルス、當間ローズをはじめラテン音楽を愛する仲間達とお客様を繋げたいと作った「太陽のサルサ 〜 ¡Salsa del sol! ~ 」には、眩い熱を放つデラルスのNORA、JINに続き、ラテンの貴公子當間ローズも麗しく登場、艶やかに情熱的なパフォーマンスで会場は一気に灼熱のダンスホールとなり、そしてこのメンバーでの「夏が来る」は、最強のポジティブパワーとなって会場を沸騰させた。そのまま「一番近くにいてね」、こちらも「名探偵コナン」のオープニングテーマソングであった「Lie, Lie, Lie,」と息つく暇もないほどに踊り続けたラテンコーナーが終わると、これでもかのHyper ROCKコーナーへと突入。

センター階段の最上段に眩いリフトで上昇してきたTRFのDJ KOOの雄叫びと鮮やかなDJプレイ&無条件に興奮させられる抜けまくりの雄叫び+ブラスタによるダンスバトル、客席とのHyperレスポンスに会場は爆上げ。熱気は最高潮。その勢いを更に煽るが如く飛び込む「熱くなれ」のイントロに客席は総立ち、Wild&SexyなアメリカンROCK Girlに変身して戻ってきた大黒の「皆さん!まだいけますか?!もっと熱くなりたいですか?!」小悪魔顔で、「そうなの〜私〜、ヒット曲まだあるの〜っ!!」に、大人達はまるで少年少女のように我を忘れて大沸騰。熱狂のるつぼと化した。

「熱くなれ」「恋はメリーゴーランド」「アイデンティティ」仮面ライダーオーズの主題歌となった「Anything Goes!!」と、押せ押せのHigh Beatチューンに客席はまるで大人の運動会。汗だくの笑顔で爽快そのもの。そして大黒摩季と共に全力疾走で走り抜けたまっさらな心に響く、大黒が敬愛し続けたZARD坂井泉水との約束の曲、「君に届け」。本編最後の曲は、瑞々しくカラフルなBeingサウンドが吹き抜け、会場は坂井泉水へと一途に、天に届くほどの大合唱となり、感極まった大黒は歌詞中の「伝えたいのに 伝わらない 想いを今 歌に込めて」で涙を堪え潤んだその声は、客席の涙腺を崩壊させ、その後の大合唱は大きく感動的な響きだった。「泉水ちゃん、きっといたと思う。嬉しそうに、歌って無邪気にはしゃいでたと思う。だから泣けてきたの」終演後の大黒は汗だくの笑顔でそう語っていた。

圧巻はなんと言っても、アンコールの1曲目「東京 Only Peace」。いきなり500kgもある大太鼓とともに、ステージに登場!パリコレをはじめ世界にも評価の高い着物デザイナー斉藤上太郎の羽織をまとい神聖なるサラシ姿で凛と立ち、大太鼓に祈りを捧げる姿はまるで、女武将の如く潔い闘志と精悍なオーラに満ちていた。今年はじめから日本の和太鼓の第一任者・ヒダノ修一のもとでレッスンを重ねて来た大太鼓のソロを披露。ヒダノ修一らから成る和太鼓隊を率いセッションを交え、三味線には津軽三味線小山流三代目である小山豊、尺八にはAUN J CLASSIC ORCHESTRAの石垣征山、迫力と粋美な和楽器の音色、New Age Popと秀逸なデジタルサウンドの融合、大黒にしか歌えないであろう魂の歌声に、溢れ続けたLOVE&PEACE、客席は大喝采となった。

同曲は先の東京オリンピックを目前に、コロナ禍もあり当時バラバラだった世論と民意をどうか一つにしたい、日本のキャッチ&誇りは何なのか皆で考えようと作られたもので、ロシア・ウクライナの戦争に胸を痛めこのツアーで人道支援基金を募ってきた今、正に“その歌詞とメッセージが必要だと思う”と再選曲され、当時のレコーディングメンバーを中心に演奏された。

現代の日本に於いては、SNSなどの普及から発言のリスクが増大したこともあり政治的・社会的メッセージを口にするアーティストは多くない。ことメジャーであれば尚のことである。そこに逆行するように、長き病気療養から復帰してからの大黒摩季は、「もう私には失うものは何もないから、誰もが恐れて言えない本音やメッセージを代弁する、若い時の大黒摩季に戻ろうと思うの」そう言って、臆することなく自分の考えを口に出しメッセージや真のエールを放つ。その姿は輝かしく凛々しく無敵にさえ見えた。

また、ファイナルでは1年間入れ替わりながらツアーに参加したサポート・メンバー全員がブロックごとに参加し、ラストの「ら・ら・ら」「ROCKs」では「私はアーティストというよりミュージシャンです。だから最後の光は共に闘い抜いてくれたミュージシャン達に捧げたい。ウッドストックTOKYOよ!」、と総勢15人よる大セッション。同期なしの生演奏は心の芯まで温める。そして「ずっと座って我慢しながらいる車椅子の人達に一番美味しい思いをさせてあげなきゃね!」と始まった客席を駆け抜けるコーナーも新型コロナウィルスが五類となり復活。疲れ一つ見せず、彼らの元まで突っ走り笑顔で「よく頑張ったね〜⭐️楽しめた?きてくれてありがとう!」と抱きしめ笑顔を貰うとまた走る。

最後の「ROCKs」は、終わりなのに“NEXT”とタイトル付した意義だ。トリプル・ドラムやトリプル・ギター、トリプルベース、4トップSAXなどがユニゾンで唸れば超絶重厚、ド派手なサウンドの中、「私はまだまだ闘う、ROCKして生きてゆく」と言わんばかりの野太い声が大きな会場をトマホークの如く突き抜けると観客の興奮は再び最高潮。最後の最後まで全身全霊で歌い「自分を抑えてばっかじゃなくて!周りを幸せにしたいなら時々思いきり自分を楽しませてあげなきゃダメだよ!哀しみは私が受け止めるから!ついておいで〜〜!!!」と客席を全力で抱き留める一途な大黒の姿に、誰もが大感動のもと3時間半に及ぶライブは幕を閉じた。

フィナーレでは、出演した全メンバー、そしてツアー・スタッフが登場、、大黒摩季らしい全員を花道いっぱいに並べた長蛇のラインナップで、「このメンバー、スタッフ全員が大黒摩季です。そして、みなさんが大黒摩季をスーパーサイヤ人にするドラゴンボール一個一個であり、大黒摩季のメンバーです。これからも、日本で一番、世界で一番、おバカな楽しいライブをやっていこう!」と締めくくった。

この日のライブは、「周年は自らが全国を回って、ファンに感謝を伝えたい!」という大黒摩季の思いがぎっしりと詰まったヒット曲中心の内容に新曲を交えながら、31年目からの“NEXT”これからのアーティスト活動に賭ける彼女の意気込みが存分に伝わって来るライブとなった。

途中には、「私は嬉しいです。皆さんの愛と音楽あったからこそ曲がらずに生きてこれました。大黒摩季みたいな、世の中とうまくやれず、つまづいてばっかり、そんなアーティストを30年も歌わせてくれて、そして愛してくださり、ありがとうございました!私の最後の居場所をくれて、ありがとうございます」と深々と頭を下げるシーンもあった。

この夜の模様は、U-NEXTにてLIVE配信も予定されている。そしてこの後、6月に入っても、最初の第一声はファンクラブの前でしたいと自身の上京記念日6月1日に、上京して初めて訪れたライブハウス、東京・原宿クロコダイルから“NEXT”はスタート。その後もほぼ毎週イベント出演の他、7月2日からはホーム北海道のローカル6市町村を回るツアーも控えている。さらには、30周年を終え、自らのアーティスト活動の原点に回帰する意味でも再び挑戦することになった吉川晃司のライブ・ツアーへのコーラス参加などにも臨む。

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