テキサス州司法長官、音楽ストリーミングサービスのペイオラ調査開始
米テキサス州司法長官のケン・パクストン氏は4月22日、音楽ストリーミングにおけるペイオラに関する調査を開始すると発表した。ペイオラとは、適切な開示なしに優遇的なプロモーションと引き換えに報酬を受け取る行為を指す。
調査対象は、Spotify、Apple Music、Pandora、Amazon Music、YouTube Musicを含む「人気ストリーミングプラットフォーム」。この調査により、ストリーミングサービスと音楽会社との間に、特定のアーティストや楽曲の「露出度、プレイリストでの掲載順位、レコメンデーションランキングを不当に高める」ことを可能にする「非公開の金銭的取り決め」が存在し、州法に違反しているかどうかを明らかにする。
パクストン氏は「音楽アーティストは公平な競争の場で競う権利があり、リスナーは自分に推奨されるコンテンツについて透明性を求める権利がある」とした上で、ペイオラの事実が確認されれば、その責任が問われることになると述べた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
ストリーミング全盛時代において、アーティストの収益は「再生回数」という単純な指標に集約される。しかしその再生回数は、プラットフォームのレコメンデーションやプレイリスト掲載、露出度といったアルゴリズム要素に大きく左右される。テキサス州司法長官ケン・パクストン氏が、Spotify・Apple Music・Pandora・Amazon Music・YouTube Musicを対象にペイオラ(適切な開示なしの優遇プロモーション報酬)調査を開始した背景には、この構造に対するアーティスト側からの長年の懸念がある。「人気プレイリストに乗ること」が事実上のラジオ時代のヒット工場と同じ役割を担うストリーミング環境で、レーベルとプラットフォームの取引が数字に影響を与えているのではという疑問は、業界内でも繰り返し語られてきた。今回の調査が不透明な領域に光を当てる契機となれば、アーティスト・レーベル・プラットフォームの関係性も、より制度化された設計へと進むだろう。ペイオラ問題は初の音楽DJ、アラン・フリードを標的に社会問題化した。彼の人生は拙著「音楽が未来を連れてくる」の一章に収めてある。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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