ティアック、23年4月~24年3月期は5,300万円の赤字 今期は黒字浮上へ

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ティアックは5月10日、2024年3月期の連結業績(2023年4月1日~2024年3月31日)を発表した。

同社グループの連結会計年度の売上収益は156億7,200万円(前期比0.2%減)、営業利益は4億4,500万円(同21.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期損失5,300万円(前期親会社の所有者に帰属する当期利益3億500万円)となった。

音響機器事業の売上収益は109億3,000万円(前期比9.1%増)となり、セグメント営業利益は12億4,700万円(同47.4%増)となった。ハイエンドオーディオ機器(ESOTERICブランド)は、クロックジェネレーター、デジタルプレーヤー、プリメインアンプの新製品の上市と社内マスタリングのLPレコードを4タイトルリリースし堅調に推移した。インドア消費の落ち込みにより国内市場が低調に推移したが、欧米での販売は好調に推移した事から前期比で増収となった。プレミアムオーディオ機器(TEACブランド)は、オリジナル技術であるVRDSメカニズム搭載のCDプレーヤーなどを上市し堅調に推移した。中国の景気後退などを要因としたアジア地域での減収を国内市場の増収でカバーし、前期比で増収となった。音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoB事業において、音響設備工事案件の需要増により主力録音再生機の販売が堅調に推移したことに加え、当期より海外展開した業務用ミキサーおよび近年需要が高まっているネットワーク関連機器などの販売が好調となった。BtoC事業においては、巣ごもり需要収束後も付加価値の高いクリエイター向け主力商品が市場から高く評価され続けており、上市した新製品効果も加わって好調な販売となった。その結果、音楽制作・業務用オーディオ機器全体では前期比で増収となった。

情報機器事業の売上収益は39億3,300万円(前期比9.1%減)となり、セグメント営業利益は1億3,300万円(同62.2%減)となった。計測機器は、データレコーダーにおいては、国内の各計測分野の需要回復による受注増や、警察庁向け生体測定装置の大型案件もあり、好調な推移となった。センサーおよびデジタル指示計においては、新たに開拓したリチウムイオン電池製造装置向けの出荷が好調に推移したものの、コアとなる半導体市場向けは需要回復の遅れにより低調だったことから、計測機器全体では前期比で減収となった。医用画像記録再生機器は、4K手術画像記録用レコーダーが国内・海外ともに好調に推移し、大手検査装置メーカーのオプション採用やその他OEM販売も始まったが、国内の消化器内視鏡向けレコーダーと欧州のFull HD手術画像記録用レコーダーの販売が減少し、全体としては前期比で減収となった。機内エンターテインメント機器は、新たな国内顧客を獲得し、コンテンツ販売の本格化も進みたが、海外顧客向けの保守部品販売が前期で終了したことから、同部門では前期比で減収となった。ソリューションビジネスは、ネットワーク・インフラの保守や受託開発案件の積上げに加え、大規模PC案件も獲得し、前期比で増収となった。

同社グループの連結会計年度の売上収益は156億7,200万円(前期比0.2%減)、営業利益は4億4,500万円(前期比21.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期損失5,300万円(前期親会社の所有者に帰属する当期利益3億500万円)となった。

2025年3月期の見通しは、売上収益を前年比2.1%増の160億円(前期実績156億7,200万円)、営業利益を同12.4%増の5億円(同4億4,500万円)、税引前利益を2億5,000万円(同500万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2億円(同△5,300万円)と見込んでいる。

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