防災科研、TBSテレビ、NEWS DIG、ゲヒルンが地震計の揺れをリアルタイムで捉える「強震モニタ」に関する相互協力協定を締結

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防災科学技術研究所(防災科研)、TBSテレビ、TBS・JNN NEWS DIG(NEWS DIG)、ゲヒルンは、地震に対する社会の認知力と防災力の向上に資することを目的とし、8月28日に地震計の観測データの利活用に関する相互協力協定を新たに締結したと発表した。

本協定に基づき、防災科研の強震観測網による揺れのデータをTBSテレビ、NEWS DIGおよびゲヒルンに即時配信し、関東大震災を引き起こした大正関東地震から100年となる2023年9月1日から、NEWS DIGおよびゲヒルンがそれぞれ運営するスマートフォン用アプリケーションにおいて日本全国の今の揺れをリアルタイムに可視化する強震モニタの提供を開始する。

防災科研は、日本全国に強震観測網(※1)を運用して地震による強い揺れのデータを観測し、常時リアルタイムに取得が可能な観測点でのデータを用いて、日本全国の今の揺れを可視化するWebサービスの「強震モニタ」(※2)を公開している。これに対し、TBSテレビ、NEWS DIG、ゲヒルンが報道・メディアとして、アプリや放送等の多様な情報経路でのデータ利活用方法を検討するため、2022年12月に4者での共同研究を開始した。この共同研究のもと、強震モニタに用いている強震指標値(強震モニタデータ)の配信基盤の整備、強震モニタデータを用いた検証版アプリの構築と、配信基盤およびアプリの検証を行ってきた。

地震の発生や揺れの広がりを即時的かつより多くの人々に直感的に伝えることで、地震発生時における社会の地震に対する認知力と防災力の向上に資することを目的として協定を締結し、以下の取組を実施する。

防災科研は強震モニタデータを即時的かつ安定的にTBSテレビ、NEWS DIGおよびゲヒルンに配信する。TBSテレビ、NEWS DIGおよびゲヒルンは強震モニタデータを報道・メディアとして、アプリや放送等の多様な経路による防災情報の発信に活用する。協定に基づくデータ配信とアプリでの利活用は9月1日より開始する。

また、NEWS DIGが運営する「TBS NEWS DIG」およびゲヒルンが運営する「NERV防災」のアプリにおいて、リアルタイム震度(※3)を表示する機能(強震モニタレイヤー)の提供を9月1日から開始する。

(左)「TBS NEWS DIG」の強震モニタレイヤー、(右)「NERV防災」の強震モニタレイヤー ※表示はイメージ画像

TBS NEWS DIGとNERV防災で提供する強震モニタレイヤーでは、防災科研から配信される強震モニタデータのうち毎秒のリアルタイム震度を揺れの強さに応じた色分けで地図上に表示し、強い揺れだけでなく弱い揺れも合わせて表示している。これにより地震発生時には、揺れが伝わっていく様子を色の変化で確認することができる。また緊急地震速報(予報)が発表された場合には、緊急地震速報の予想震度やP波・S波の伝播状況推定図とリアルタイム震度が自動的に統合して表示されるため、揺れの大きさや広がりをより視覚的に確認することが可能だ。

今後、「TBS NEWS DIG」および「NERV防災」のアプリを通じ、より多くの人に強震モニタレイヤーを利用してもらい、観測データに基づくリアルタイムでの揺れの可視化を通じて、防災科研・TBSテレビ・NEWS DIG・ゲヒルンの4者は相互に協力し、社会の防災力向上につながる情報発信に努めていくと伝えいている。

※1:強震観測網
建物が壊れるような強い揺れまで正確に測るための地震計(強震計)によるネットワークで、防災科研では全国強震観測網(K-NET)と基盤強震観測網(KiK-net)という2つの強震観測網を運用している。K-NETは1995年の阪神・淡路大震災を契機に整備した観測網であり、全国を約20km間隔で覆う1,000カ所以上の地点に統一した規格の観測施設を設置して観測を行っている。KiK-netは全国約700カ所の地点において、地表のみならず地下100m以上の地中にペアで強震計を設置して観測を行い、特に強い揺れへの地盤の影響の解明に貢献している。

※2:強震モニタ
K-NETとKiK-netの観測点において計算されて防災科研のつくばデータセンターに伝送される1秒ごとの揺れの大きさを示す強震指標値(最大加速度、最大速度、最大変位、リアルタイム震度(※3)、速度応答値)を地図上に可視化することにより、日本全国の今の揺れをリアルタイムに表示するWebサービス。2008年に公開を開始し、2013年からは緊急地震速報による情報と合わせた表示への対応を行っている。

※3:リアルタイム震度
揺れの強さを表す値として地震後に発表される「震度」は、揺れが始まってから1分間のデータを使って、1地点に対して1つの値として計算されている。防災科研が開発した「リアルタイム震度」は、揺れの最中に震度が徐々に大きくなる様子をリアルタイムに知ることができ、最終的には震度に相当する値をいち早く知ることができる。

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