エクシングが11年間のカラオケ歌唱データを分析、年齢層の価値観や嗜好の違いが小さくなり歌える曲が増加傾向に

ビジネス レポート

エクシングは、博報堂生活総合研究所が「消齢化」と名付けて研究を進めている“年齢層による価値観の違いが年々小さくなっている現象”について、通信カラオケ「JOYSOUND」の「うたスキ」会員の歌唱データを提供することで共同研究を実施し、その結果を発表した。

「20代は○○な人」といったように、価値観や嗜好を年齢層によって一括りに捉えることがあるが、以前は大きかった年齢層による価値観や嗜好の違いが、実は年々小さくなっていることが分かってきた。本研究では、同社が蓄積した2012年からの11年分の年齢層別(10代~60代)のカラオケ歌唱データを分析することで、「好きな曲を選び、歌う」という生活者の行動から「消齢化」の実態を検証した。

全年齢層(10代~60代)カラオケランキングTop200に入ったタイトル数の推移をみていくと、2012年に全年齢層で歌われていたのはAKB48「ヘビーローテーション」、高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」などの4曲にとどまっていたが、2016年から急速に増え始め、2021年には23曲に到達。直近の2022年は、優里「ドライフラワー」やAimer「残響散歌」をはじめ20曲となっており、全年齢層で歌われる曲は、10年間で4曲から20曲へと5倍に増加した。

海外の生活者を対象に行われた調査では、音楽の趣味は30代前半までに固まり、以降新しい音楽を聴かなくなるという結果も出ているが、今回、カラオケの歌唱データを検証した結果、60代でも10代と同じように新しく発売された曲に出会い、覚え、歌っているということが明らかとなった。

この検証を経て、カラオケ歌唱データから見えてきたのは、“全年齢層が同じ曲を歌うようになっている”というかたちで、むしろ“共有するものが増えている”という行動実態だ。情報源としてのメディアや、そこを行き交う情報が多様化するなか、少なくとも生活者の「カラオケで好きな曲を歌う」という行動をデータから観察する限り、10代と60代の生活者でも、年齢層の壁を越えたカラオケヒット曲が誕生することにより、同じ曲を歌ったり聴いたりして交流できる可能性が高まっていると言える。

エクシングは、「今後もカラオケ歌唱データを用いた生活総研の研究に協力していくとともに、音楽が持つ魅力や歌うことの楽しさを広く発信し、世の中のワクワクを生み出し続けて参ります。今後の展開にご期待ください」と伝えている。

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