電通グループ、朝日放送テレビなどとクリエイター向けNFT利活用スキーム「ghost Link」の実証実験開始

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ABCのVRドラマコンテンツに登場するメ インIP「怨霊マガツヒ」

電通グループのR&D組織・電通イノベーションイニシアティブは、Web3時代に向けたテレビコンテンツ領域における新しいファンエコノミーを模索する取り組みの一環として、朝日放送テレビ、3RD GEAR、セプテーニ・インキュベート、シビラ、ソニー、ISI-Dentsu of America、Infinite Objects(以下 IO)の7社と共同で、NFT利活用スキームによる新たなクリエイターエコノミー形成に関する実証実験「ghost Link」を開始する。

昨今のテレビコンテンツ領域におけるトレンドとして、コンテンツの視聴や関連商品の購入に留まらず、UGC(User Generated Contents)と呼ばれる視聴者によるコンテンツの解説記事やシナリオの予想記事などのSNS上での発信により、ドラマなどの一次創作物の視聴行動が喚起されるといった新たな視聴者動線が生まれている。また、ブロックチェーン領域では、NFTを「改ざんの困難な権利情報」と捉え、画像などのデジタルデータに対する知的財産権(IP)をNFT化し、NFTを軸とした多様なロイヤルティ・サービスやコミュニティが構築され、NFTの保有者同士が互いにトークンの価値を高めあう動きが進んでいる。NFT保有の特典として、オリジナル画像にインスピレーションを得て、対象IPを用いた服飾デザインや楽曲などの制作物を販売するNFT保有者も登場している。

このような新たな潮流を捉えて、8社は共同で、ABC制作のVRドラマコンテンツ「TOKYOCASE」に登場するメインIPである「怨霊マガツヒ」について、NFTを用いた実証実験「ghost Link」を開始。本実験では、全面的な二次創作が可能となるクリエイター向けNFTを発行し、NFTの保有者に対して、自由な翻案、編集を認め、制作・複製・配信などの権利についても商用・非商用を問わず許諾する。そして、対象IPに着想を得たクリエイターによる二次創作の展開を検証することで、テレビコンテンツ領域におけるUGCの価値に対する適正な評価モデルを検討するとともに、コンテンツの作り手となるクリエイターの発掘を目指すとしている。

また、映像クリエイターによるIPの二次創作を推進すべく、デジタルと質量の関係をテーマとした作品を手がけるメディアアーティスト落合陽一氏をリードクリエイターとして招聘。同氏から創作者視点でのフィードバックを得るとともに、IOとのコラボレーションにより、クリエイターの創作活動を積極的に支援していく。また、本実験では、シビラのコントラクトウォレットとソニーのハードウェアウォレット技術をIOの印刷技術「Video Prints」と組み合わせることで、簡便なユーザー動線の下に、NFT取引の安全性と利便性を両立させる技術についても検証予定とのこと。

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