ソニーグループ2022年度経営方針説明会、音楽領域「クリエイティブ側からアーティストを支えることに注力」

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ソニーグループは5月18日、2022年度経営方針説明会を開催した。

説明会では、会長兼社長CEOの吉田憲一郎氏が、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)と「人に近づく」という経営の方向性のもと、長期視点での経営に取り組んでいること、そして、人・社会・地球への「責任」と「貢献」を重視していることに触れた上で、人を軸とした3つの事業領域で進めている投資と成長について説明した。

また、クリエイティビティとテクノロジーの力でエンタテインメントの進化を支える取り組みとして、「人の心を動かす」エンタテインメント3事業(ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)事業、音楽事業、映画事業)におけるコンテンツIP、DTC(Direct-to-Consumer)サービスのさらなる強化と、「メタバース」「モビリティ」を中心とした感動空間での新しいエンタテインメント体験の創出、そして、現実空間を捉えるセンシング技術と、捉えた世界から学ぶAIを中心としたテクノロジーについても説明した。

「人の心を動かす」G&NS、音楽、映画の各事業は、2012年度以降継続的に成長しており、2021年度には売上高の合計が初めて連結売上高の50%を超え、営業利益も連結全体の約3分の2となった。

同社は、音楽領域での取り組みについて「アーティストそしてソングライターにとって最も近い存在である企業を目指し、クリエイティブ側から彼らを支えることに注力する」としている。市場は、ストリーミングサービスの伸長により2014年から拡大を続けており、同社は業界のリーダーとして、アデルやYOASOBIなど継続的にヒットを生み出している。

同社は、メジャーレーベルとともに音楽市場の成長を牽引しているのが、インディーズレーベル、独立したアーティスト個人、そして、多様化する配信パートナーであるとの考えを伝えている。

インディーズレーベル向けには主にオーチャードを通じてインディーズレーベル所属アーティストをサポート。また、ブラジルの音楽レーベルであるSom Livreの買収、インドでの新レーベルの立ち上げなどにより、成長する新興市場でより多くのアーティストを世に送り出す取り組みを推進している。

そして、独立したアーティスト個人向けには、音楽制作・配給サービスを提供するAWALの買収を行い、オーチャードとともに、支援を強化している。

アーティストの音楽を届けるDTC側では、成長を続ける音楽ストリーミングサービスプラットフォームを営むパートナーとの協業が中心となる。加えて、多様なサービスパートナーとも連携し、アーティストの活躍の場を拡げている。

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