エムアップ、20年4月〜21年3月期は増収増益

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エムアップホールディングスは5月14日、2021年3月期の連結業績(2020年4月1日〜2021年3月31日)を発表した。

当連結会計年度における売上高は123億2,500万円(前年同期比11.4%増)、営業利益は11億700万円(前年同期比51.8%増)、経常利益は11億6,800万円(前年同期比26.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億3,300万円(前年同期比34.6%増)となった。

コンテンツ事業では、新規ファンクラブ/ファンサイトの開設を進めるとともに、会員限定のライブ配信やファンクラブのアプリ化などにより、既存のファンクラブにおける会員数の維持、拡大に努めた。しかし、新型コロナウイルス感染症によりライブ、コンサートの開催が中止、延期となった影響から、一部のファンクラブ/ファンサイトにおいては会員数の減少が見られた。新たな取り組みといたして、アーティストとファンの距離をより近づけ、ファンクラブ入会への動機づけをするためのポータルメディアとして「Fanpla」を開設するとともに、アーティストの規模に関わらず、アーティストなら誰でもファンクラブを開設することのできるサービスとして「Fanpla Kit」の提供も開始し、ファンクラブのプラットフォーム化と新規アーティストの獲得力の強化を進めている。新型コロナウイルス感染症の影響により、音楽ライブやイベントが中止、延期となっている状況への対応として、生配信を観ながらコメントやギフティングによってアーティストの応援ができる機能を搭載した視聴専用アプリ「FanStream」と、VRでのライブ生配信や様々なVR映像コンテンツを提供する「VR MODE」の提供を開始し、ライブ配信を積極的に実施してきた。以上の結果、売上高は98億4,300万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は10億2,900万円(前年同期比20.5%減)となった。

EC事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により中止や延期となったライブ、イベントにて販売予定であった商品がeコマースを通じて提供されるケースが多く発生し、商品の取り扱いも大きく増加した。加えて、緊急事態宣言や自粛に伴い巣ごもり需要が増加したこと、アーティストグッズ等の販売がライブやコンサート等の会場からECへとデジタルシフトが進んだことから、EC事業の収益基盤も拡大した。以上の結果、当連結会計年度におけるEC事業の売上高は10億2,600万円(前年同期比39.7%増)、セグメント利益は7億8,100万円(前年同期比80.1%増)となった。

電子チケット事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、ライブやコンサートの多くが中止、延期されたことで、電子チケット及びチケットトレードに関連する収益も大きく減少した。厳しい事業環境のもと、同社のチケットトレードの仕組みをイベント払い戻しと再販売を同時に実現するサービスとして提供するなど、状況に応じた事業展開によりその影響の低減に努めた。また、ライブの生配信やオンライン配信の視聴パスを販売するプラットフォーム「StreamPass」のサービスを開始し、コンテンツ事業にて実施するライブ配信と連動することで、新たな収益の確保に努めた。加えて、オンラインライブと連動する施策として、アーティストのサイン入りのグッズなどの商品を提供するオンラインくじ「メモコレ」の提供し、販売を拡大させた。電子チケット周辺領域のサービスとしては、これまでと同様にプロ野球等のカードコレクションアプリなどの提供を行うとともに、無観客での開催となったプロ野球の公式戦において、「FanStream」や「StreamPass」を活用し、試合の生配信を実施した。加えて、安心安全な1on1イベントを実現するライブトークアプリとして、「Meet Pass ライブトーク」のサービスを開始するなど、コロナ禍における新たなスポーツ観戦やエンタテインメントのスタイルを提案。今後もカードコレクションアプリのスポーツ以外への横展開や、新たな電子チケット付加サービスの開発、提供を進めることで、周辺領域でのビジネスも拡大させていくことを計画している。以上の結果、当連結会計年度における電子チケット事業の売上高は13億6,900万円(前年同期比25.3%増)、セグメント損失は1億4,000万円(前年同期比-%)となった。

その他事業には、上記3つのセグメントに属さない連結子会社の収益等が計上されており、主にアパレルや出版、プロダクション業務が含まれる。引き続き当連結会計年度においても、将来の収益獲得に向けた事業育成を行ってきたことから、売上高は8,500万円、セグメント利益は200万円となった。

今期(2022年3月期)の見通しは、売上高136億円(前年同期比10.3%増)、営業利益13億円(前年同期比17.4%増)、経常利益13億円(前年同期比11.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8億3,000万円(前年同期比31.7%増)を見込む。

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