中国上海市:日本人向け海賊版販売店3店舗、ついに初の刑事摘発に成功

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▲刑事摘発の様子

中国・上海の上海市長寧区の日本人街において日本人向けに大量かつ大々的に海賊版を販売する悪質三店舗について、コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が、上海市の公安当局に刑事投訴(告訴)した結果、昨日12月4日、上海市の公安当局によって刑事摘発が行われた。

中国で、日本コンテンツの海賊版販売店の摘発について、CODAの訴えによって刑事手続きが行われるのは今回が初めてのこと。今後の著作権侵害対策の重要な先例となった。

今回、刑事摘発された店舗は、
・長寧区虹梅路に所在する「渋谷タワレコ MOVIE SHOPS」、
・長寧区黄金城道に所在する「MOVIE STAR 星之影」、
・長寧区虹橋路に所在する「MOVIE STAR」
の3店舗。

今回の強制捜査の結果、日本コンテンツ作品(テレビドラマ、バラエティ、アニメ、映画、音楽など)に係る「75,170枚」の海賊版等が押収され、海賊版販2社の責任者2名の身柄が拘束された。

これら店舗に対してCODAは、2011年から2016年にかけて、行政手続き(行政投訴)による行政摘発を30回以上に渡り、繰り返し行ってきた。これまでに日本コンテンツ作品の海賊版45,594枚が没収され、罰金として411,000元(約670万円)などが科せられていた。

しかし、これら店舗は、何ら影響を受けることなく大規模かつ悪質な営業を継続し、CODAとして廃業に追い込むことができなかったため、2016年に行政手続きから刑事手続きに方針を切り替えた。

近年では、国際的にも海賊版サイトなどのオンライン上における権利侵害行為が注目を集めているが、上海を含む東アジア、ASEANなど、海賊「盤」についても未だ大規模な販売が続けられている地域が存在する。

また、今回の摘発された上海市の店舗で販売されていた海賊版を日本に輸入し日本のオークションサイトで販売していたとして、2015年に福岡県警などの合同捜査本部が、中国人・日本人の合計7人を逮捕した著作権法被疑事件も発生するなど、オンラインを通じて海賊版が世界中に拡散される事実も確認されている。

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