ヤマハ、差別や偏見に音楽で立ち向かったコロンビアの子どもたちを描いた「I’m a HERO Program」のドキュメンタリーフィルムを公開

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ヤマハは、音楽を演奏する楽しさを知った子どもたちが、大きなチャレンジを経て、子どもたち自らの力で「見えない壁」に立ち向かうヒーローとなる「I’m a HERO Program」を、コロンビア共和国にて3月31日から9月30日に渡って実施。今回、彼らの軌跡を描いたドキュンタリーフィルムを公開した。

コロンビア・メデジン市で暮らす26名の子どもたちが努力を重ね、サッカースタジアムという憧れの舞台に立ち、大観衆が見守る中、見事にコロンビア国歌の演奏を成功させた。

映像は、音楽に向き合う中で、子どもたちは自身の中に確かな変化を見出し、音楽とともに逆境を乗り越えていった小さなヒーローたちのストーリーとなっている。
 

コロンビア メデジン市 プログラムに参加する子供たちが暮らすエリアの一部

今回プログラムに参加したのは、コロンビア・メデジン市の未だ日常に混沌と犯罪が存在するスラム地域に暮らす7歳〜13歳までの男女26名の子どもたち。
 

Venova

楽器未経験の子どもたちやリコーダーしか演奏経験がない彼らに、これまで手にしたことのない管楽器「Venova」が手渡されるところからプログラムは始まった。「Venova」は、リコーダーのような指使いで演奏できる親しみやすさを持つ一方で、本格的な吹奏感を持つリード楽器であり、子どもたちはその演奏技術の習得とコロンビア国歌の練習に熱心に取り組んだ。
 

練習に取り組むLuidison Morales Borjaと見守る家族

約半年に渡った練習は、スラム街で暮らす彼らにとって容易なものではなく、練習を毎日行うことやリハーサルのために市内へ移動することさえ物理的な障壁や大きな苦労が伴ったという。しかし、子どもたちをはじめ、その家族が互いを優しく、時には厳しさをもって支え合い続け、彼らはヒーローとなる舞台へ上がった。
 

国歌演奏の様子

そして、9月30日コロンビア国内一部リーグの一節。スタジアムのスクリーンに彼らの歩みを紹介するフィルムが映し出されたあと、26名のヒーローの名前が1人ずつアナウンスされ、子どもたちはサッカークラブ「アトレティコ・ナシオナル」の選手とともにフィールドへと入場し、大観衆の前へ歩を進めた。

同国でサッカーは極めて高い人気を誇る。特に「アトレティコ・ナシオナル」は、過去に16度の国内リーグ優勝経験を持つメデジン市を本拠地とする強豪サッカークラブで、子どもたちにとって選手は憧れの存在だ。

演奏を終えた彼らは誇らしく前を見据えていました。子どもたちの努力が「見えない壁」を超え、彼らが「ヒーロー」の象徴になった瞬間となった。

同社は引き続き、音楽の持つ力を信じ、さまざまな形でこうした社会課題と向き合い、その解決を図っていくとしている。
 

 

関係者コメント
Luidison Morales Borja(ルイディソン モラレス ボルハ)(プログラムに参加した13歳の少年、愛称パッチョ)のコメント
プログラムに参加したことで自分がいかに悪いところにいたか分かった。それからは悪いところには行かずに家で「Venova」を練習するようにした。聴く音楽も自分で選べるようになった。悪いことを歌わずにメッセージを伝えている音楽が好きだ。ヒーローといえばフィクションのようなスーパーマンを想像するかもしれないけど、人のために戦ったり何かしたりする人だと思う。

Ruth Biviana Morales Borja(ルス ビビアーナ モラレス ボルハ)(パッチョの母親)のコメント
これまでパッチョは悪い子でした。今回のプログラムを始めたことで音楽に集中するようになり、音楽はパッチョに変化をもたらしてくれました。母親の手伝いだけでなく近所の人たちの手助けもする協力的な子どもになりました。音楽は何かを変えるチャンスや機会になるものだと思います。

駐コロンビア日本国特命全権大使 森下敬一郎のコメント
コロンビア国歌を演奏する子どもたちの姿に感銘を受けました。彼らは特別な力を持った人ではありません。しかし、他人のために何かができる彼らはまさしくヒーローです。彼らがこの経験を通じて新たな挑戦へと立ち向かい、将来自分の夢を追い続けていってくれることを期待しています。また、コロンビアと日本の修好110周年を迎える佳節の年に、このような素晴らしいイベントの準備に尽力されたすべての関係者の方々に感謝の意を表します。

コロンビア メデジン市 市長 Federico Gutierrez Zuluaga(フェデリコ グティエレス ズワアガ)のコメント
プロジェクトに参加した子どもたちはまさに街の象徴です。彼らの大志はもっと多くの人の役に立っていくでしょう。そしてこの機会をつくってくれた関係者の人々もヒーローです。とても感謝しています。メデジンで最も価値があるものは、山々や花などの景色だけでなく、人やその才能です。人々は常に前進をしています。この街にはもう希望があります。まだ貧困もたくさんありますが、いつも将来は良くなるという希望があるのです。彼らがそのシンボルとなり影響を広げていってくれることを願います。

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