オリコン2014年上半期音楽ソフトマーケットレポート発表、総売上額が前年比1%減の1,449億円

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オリコンは、「2014年上半期音楽ソフトマーケットレポート」(対象期間:2013年12月30日~2014年6月29日)を発表。音楽ソフト総売上額は1,449.1億円で、対前年同期比98.9%となった。

※以下、売上金額は売上枚数に定価・希望小売価格(税込)を乗じて算出。

【全体売上】

「2014年上半期音楽ソフトマーケットレポート」音楽ソフト売上の半期毎推移
シングル、アルバムに音楽DVD・音楽Blu-rayDisc(以下BD)を加えた音楽ソフト市場の2014年上半期総売上額は1,449.1億円、前年同期比は98.9%となった。上半期売上額が前年実績を下回るのはこれで2年連続のこと。

オーディオ・映像別の状況は、オーディオソフトの売上額が1,069.5億円で前年同期比は98.1%、映像ソフトの売上額は379.6億円で前年同期比は101.1%となった。

「2014年上半期音楽ソフトマーケットレポート」音楽ソフト 盤種別売上構成比(金額)
盤種別では、アルバム売上が779.7億円で前年同期比は100.1%となった。上半期実績としてアルバム売上が前年を上回ったのは実に2006年以来8年ぶり。

これに貢献したのが期間内の売上額が上半期アルバムNo.1の29.3億円を記録した「アナと雪の女王オリジナル・サウンドトラック」(3月12日発売)と、期間内に103.8万枚を記録し、25.0億円を売り上げたAKB48「次の足跡」(1月22日発売)。「アナと雪の女王オリジナル・サウンドトラック」の売上枚数はすでに86.5万枚に達し、アニメ映画サントラ盤としては歴代1位の売上を記録、また映画のサントラ盤としても80万枚を超えるのは、1998年5月18日付の「タイタニック」(1997年12月発売)以来16年1ヵ月ぶりと、異例の大ヒットとなった。また、日本語版主題歌を担当し、その主題歌「Let It Go~ありのままで~[Heartful ver.]」を収録したMay J.のアルバム「Heartful Song Covers」(3月26日発売)も当期売上で6.5億円を記録するなど、映画界のみならず音楽界も「アナ雪」が席巻することになった。

一方、シングルの売上額は289.8 億円で前年同期比93.2%と2年連続の減少となった。前年に引き続きAKB48がミリオンヒットを輩出したものの、全体的には売上の縮小傾向が続いている。

映像ソフトの状況は、DVDが250.9億円で前年同期比87.8%と大きく後退、一方のBDは128.7億円で前年同期比で143.5%、DVD・BD を合わせた音楽映像ソフトとしては379.6億円で前年同期比101.1%となった。いよいよBDへと主力メディアのシフトが進んでいるようだ。当期40.8億円を売り上げた「ARASHI アラフェス’13 NATIONALSTADIUM 2013」(5月21日発売)が、嵐のライブ映像として初めてBD形態でもリリースされたことからも、そうした印象は強い。

【ジャンル別シェア】

「2014年上半期音楽ソフトマーケットレポート」音楽ソフト総売上額におけるジャンル売上構成
ジャンル別の状況では、「演歌・歌謡」で前年実績を上回り前年同期比は113.1%と2年ぶりに売上を増加させた。牽引作品は前年と同様に氷川きよし作品が売上額上位2作を占めるなか、「NHK紅白歌合戦」への出場を契機に注目を集めた福田こうへいのアルバム各作品の売上が揃って伸長したことも影響したようだ。また、島倉千代子(享年75)の遺作「からたちの小経」や、やしきたかじん(享年64)のベスト盤など故人を偲ぶ動きも目立った。

「アニメ・サントラ他」も前年同期比で107.6%と2年連続の売上増を記録。水樹奈々のアルバム「SUPERNAL LIBERTY」(4月16日発売)を筆頭に、第2期TVアニメが放映された「ラブライブ!」関連の商品も好調だった。

また「洋楽」も2005年以来9年ぶりに売上を増加させたが、これは「アナと雪の女王」のサントラによるものと考えられる。しかし、「アナ雪」に「ラブライブ」と音楽に重点が置かれた邦洋のアニメがヒットし、音楽市場をも牽引している点は興味深い。

一方、音楽市場における主力ジャンルである「J-POP」の状況だが、売上額は1102.2 億円、前年同期比は95.5%と2年連続の減少となっている。

「2014年上半期音楽ソフトマーケットレポート」音楽ソフト売上表(盤種・ジャンル別)
【メーカー別シェア】

メーカー別の売上状況は、上半期売上額として3年連続でエイベックス・グループ・ホールディングスが首位となった。

売上シェアも前年同期の14.7%から18.2%へと拡大している。「アナと雪の女王」のサントラ商品のヒットが大きく貢献、またKis-My-Ft2や安室奈美恵、EXILEおよび関連グループなどのヒットを輩出した。

作品あたりの売上が10億円以上を超えたものが前年同期の2作品から当期は6作品へ増加したことも同社のシェア拡大に貢献したものと考えられる。

以降、顔ぶれに大きな変化はみられないが10位にトイズファクトリーが浮上。BUMP OF CHICKEN の新作アルバム売上が好調なことに加え、「スノーマジックファンタジー」などで話題となったSEKAI NO OWARIのブレイクによって各作品の売上が伸長したことも同社売上の拡大につながったようだ。

「2014年上半期音楽ソフトマーケットレポート」ソフト売上額上位メーカー10社

<オリコンランキング・データ>
音楽・映像ソフトを販売している全国約30,250店の調査協力店(CDショップ、レンタルや書籍などを扱う複合店、家電量販店、コンビニエンスストア、ジャンル専門店、インターネット通販)の店頭、イベント会場等での販売実績をもとに、全国の週間推定売上枚数を算出。

オリコン調べ(oricon.co.jp

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