ソケッツ、レコメンデーションエンジンの現状と課題を共有するカンファレンスを開催

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ソケッツ「JAPAN MUSIC RECOMMENDATION CONFERENCE」
オンラインラジオサービス「LIFE’s radio」を運営するソケッツが、17日、国内外の音楽レコメンデーションエンジンの現状、課題と可能性を紹介するカンファレンス「JAPAN MUSIC RECOMMENDATION CONFERENCE」を開催した。

スピーカーとして、同社 代表取締役社長 浦部浩司氏、同社 執行役員 開発統括 石川鉄男氏が登壇。また、榎本幹朗氏によるゲストスピーチも行われた。

ソケッツやPandoraは2000年頃から人の手による独自のレコメンデーションエンジンでエキスパートシステムの開発を行っており、現時点では、このエキスパートシステムが音楽レコメンデーションには最適だという評価がされている。

現在、GracenoteやEcho Nestが、音楽の聴衆履歴のログ、ブログやツイッター、チャート、音響や歌詞を解析することで、エキスパートシステムほどではないものの、これに近いレベルの結果が出るようになっており、ビックデータを上手く活用するすべを見つけつつあるそうだ。

このように技術が向上する一方、日本でミュージックディスカバリーサービスがなかなか広がらない理由の一つとして、フリーミアムモデルが存在しないことがあげられた。

フリーミアムモデルは、無料で発見した音楽をどのようにマネタイズするかというところに目標があり、レコメンデーションエンジンを通して感動を見つける事で音楽のファンになった人が有料会員になる。しかしここまででは不十分で、今後はiTunes、mora、HD-Musicなどのアラカルト購入にどうつなげるかが新たな課題となる。この積み上げができると一つのビジネスモデルが構築される。これを下支えするのもレコメンデーションエンジンだ。

浦部氏は今後のソケッツの方向性として、「インディビジュアライズ」と「カップリング」という二つのキーワードをあげ、「パーソナライズより深く、生き方や価値観も含めた日本ならではの細やかなレコメンデーション。そして、男女だけでなく、親と子など二人でいるときの空間や時間を彩るためのレコメンデーション。こういったアプローチでメタデータを活用し、新しい音楽体験を作っていきたい」と語った。

また、メタデータがフルについている楽曲は40万曲程度にとどまっており、網羅性が一番の課題とし、「まだまだ世の中で使われていない=ビジネスになっていないという現状を受け止めつつ、この歩みを止めずにいきたい」とした。


■LIFE’s radiohttp://lifesradio.jp/
■株式会社ソケッツhttp://www.sockets.co.jp/

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