映像ソフト年間売上前年比93.5%、邦楽が市場牽引〜オリコン発表

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オリコン「2012年年間映像ソフトマーケットレポート」4年間の市場規模推移
オリコンは、「2012年年間映像ソフトマーケットレポート」(対象期間:2012年1月2日(月)〜2012年12月30日(日))を発表。年間総売上が金額、枚数ともに前年実績を割り込んだ。

※前年2011年は例年より1週多い53週分の集計年度(2012年も含め例年は52週)で、「対前年比」は全て(52週対53週)での数値。

【全体売上】

2012年の映像ソフトのパッケージ(DVD+Blu-ray Disc)市場の売上枚数は4662.7万枚、売上金額は2544.5億円。売上枚数では前年比88.2%、売上金額では前年比93.5%といずれも前年実績を割り込んだ。

DVDの縮小傾向が続くなか、より単価の高いBDの成長により売上金額ベースでの減少は抑えられているものの、DVDの減少分を補うまでには至らず、2年連続で前年比減となった。

DVD、BDの合計によるジャンル別の売上金額では唯一、「邦楽」が前年比115.9%の738.7億円と前年比増を示し、年間ベースでの市場規模調査を開始した2004年(当時はDVDのみ)以来、最高の売上金額を記録。

また、2009年(BD年間市場規模調査開始年)以来、ジャンル別1位だった「アニメ」を初めて上回るとともに、売上金額占有率が29.0%(前年23.4%)と約3割を占め、売上金額ベースでは“もっとも売れた”ジャンルとなった。

メディア別の売上金額における、DVDの年間市場規模は前年比85.2%の1701.2億円。期間内に41.1億円を売り上げた、嵐「ARASHI LIVE TOUR Beautiful World」を筆頭に、11タイトルが期間内に10億円以上を売り上げた「邦楽」が前年比107.1%の609.5億円に達し、2004年のDVD年間市場規模調査開始以来、最高の売上金額となったものの、その他8ジャンルが前年比減を示したため2年連続の二桁減となった。これとは対照的にBDの年間市場規模は、売上金額が前年比116.4%で初の800億円超えとなる843.3億円を示し、2009年のBD年間市場規模調査開始以来、最高の年間実績となった。

オリコン「2012年年間映像ソフトマーケットレポート」2012年映像ソフト市場全体売上

【ジャンル別シェア】

DVD市場をジャンル別で見てみると、全9ジャンルのうち8ジャンルが前年比二桁減という厳しい市況のなか、「邦楽」のみが上向きに推移しており、売上枚数は前年比102.9%の1001.3万枚、売上金額は前年比107.1%の609.5億円で、ともに2004年からのDVD年間市場規模調査開始以来最高の年間実績を記録した。

「邦楽」DVDで年間10億円以上を売り上げたタイトル数とその売上金額は、2011年は嵐(2タイトル)、AKB48(2タイトル)、関ジャニ∞の計5タイトルで137.6億円だったのに対し、2012年はAKB48(3タイトル)、嵐(2タイトル)、EXILE(2タイトル)、Kis-My-Ft2、SMAP、関ジャニ∞、東方神起の計11タイトルで205.1億円と大幅な伸びを見せた。さらに「邦楽」はDVDの売上金額TOP100内にランクインしたタイトル数も、前年より14タイトル上回る計63タイトルとなり、6割を超えた。

BD市場は、全9ジャンルのうち「邦画」、「洋画」以外の7ジャンルで前年比増を示した。特に「邦楽」の売上枚数は、前年比172.3%の163.4万枚、売上金額は前年比189.4%の129.2億円と大幅な伸びを見せた。AKB48、B’z、BOΦWY、EXILE、Mr.Childrenなどの作品のヒットを背景に売上金額は前年より61.0億円増加しており、BD全体の売上増加額118.7億円の51.4%を占めている。

現在、各ジャンルごとのメディア別(DVD対BD)売上金額比率では、「アニメ」が39.0%対61.0%、「洋画」が54.5%対45.5%であるのに対して、「邦楽」は82.5%対17.5%と、BD市場における今後ののびしろが大きいことをうかがわせた。また、BD売上金額TOP100のタイトル数を前年より16タイトル上回る25タイトルとした「邦楽」は、今後も発売タイトル数を増やしていくことが予想され、2013年以降のBD市場をさらに大きく牽引していくことになりそうだ。

オリコン「2012年年間映像ソフトマーケットレポート」2012年ジャンル別セールス(DVD+BD)

【メーカー別シェア】

メーカー(発売元)別の売上金額(DVD+Blu-ray Disc)では、ソニー・ミュージックエンタテインメントが売上金額260.2億円で5年連続の首位をキープした。売上金額のメーカー内占有率が7割近くのアニプレックスが、DVD売上金額では前年比74.3%を示したものの、「偽物語」、「Fate/Zero」などの「邦アニメ」が売り上げを伸ばしたBD売上金額は前年比117.7%。合計の売上金額は前年比102.1%の177.5億円となった。その他、浜田省吾、西野カナなどのDVD、BD商品が好調だったエスエムイーレコーズが売上金額14.6億円で前年比199.9%と約2倍増を記録し大きく貢献した。

また、EXILEの2作、東方神起、Kis-My-Ft2の計4作のDVDが年間10億円以上売り上げた、エイベックス・グループ・ホールディングスは売上金額を前年比132.6%の194.1億円に伸ばし、前年の3位から2位に上昇。「境界線上のホライゾン」、「機動戦士ガンダムSEED HDリマスター」のBDシリーズ商品がそれぞれ年間10億円以上を売り上げたバンダイビジュアルは前年比132.7%の138.2億円で前年の7位から3位に躍進した。

前年13位の角川グループホールディングスは、「メン・イン・ブラック 3」、「ストライクウィッチーズ」など、BD商品の好調により前年比127.8%(82.6億円)で8位となり、2007年の10位以来5年ぶりのTOP10入り。また、前年14位のポニーキャニオンは、人気ドラマ「西部警察」のDVD BOX、Sexy Zone、そして「TARI TARI」などのアニメ作品が好調で前年比122.1%(75.6億円)で10位となり、2005年の8位以来7年ぶりのTOP10入り。ともにBD年間市場規模調査が始まった2009年以降では初のTOP10入りとなった。そして、前年の12位から9位に上昇し2年ぶりのTOP10入りとなったキングレコードは、ももいろクローバーZのブレイクを背景に前年比120.8%の82.3億円と大幅な伸びを示した。

オリコン「2012年年間映像ソフトマーケットレポート」2012年メーカー別セールス(DVD+BD)

オリコン調べ(oricon.co.jp

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