Spotify、「JASRAC Creator Seminar」基調講演に登壇 日本の音楽の海外展開の可能性語る
Spotifyは、6月12日にJASRACとCEIPAが共催したセミナー「JASRAC Creator Seminar」の基調講演に参加した。第1部にSpotify Japan 音楽企画推進統括の芦澤紀子氏が登壇し、「グローバルプラットフォーマーからみた日本の音楽の可能性」をテーマに語った。
世界の音楽マーケットは2025年に初めて300億ドルを突破し、11年連続の成長を記録。その約7割をストリーミングが占めている。Spotifyの全世界ユーザー数は7億6100万人、有料会員数は2億9300万人で、180の国と地域でサービスを展開している。
世界第2位の音楽市場である日本はフィジカル比率が4割を超え、“推し活”大国と呼ばれている。フィジカルとストリーミングの両方で応援するリスナーが多いのが特徴で、ストリーミング消費も年々拡大しており、芦澤氏は「伸びしろは日本が一番あると捉えられています」と日本のさらなる成長に期待を寄せた。
Spotifyで1億再生を突破した国内楽曲を集めたプレイリスト「100 MILLION+」は260曲を突破しており、海外における国内楽曲のストリーム数は2024年から2025年にかけて20%増加した。2025年に海外で最も再生された国内アーティストの楽曲はCreepy Nuts「オトノケ」、アーティストはAdoだった。
海外進出の事例としては、HALCALIが紹介された。2003年リリースの「おつかれSUMMER」は2025年のSNSバズを起点にグローバルバイラルヒットとなり、Spotifyでの総再生数は8100万回(セミナー開催日時点)、各種音楽ストリーミングサービス全体では1.5億回を記録。アーティスト本人の活動がない中で、リリックビデオやリミックス楽曲、グッズ展開、アナログ版のリリースなど、施策を速いスピードで積み重ねたことがヒットにつながったという。海外シェアが約9割を占めていたことから、日本に逆輸入的にフィードバックした事例だという。HALCALIはこのヒットを受け14年ぶりに活動を再開し、「SUMMER SONIC 2026」の「Spotify Stage」枠内「Gacha Pop Live」への出演も決定している。
芦澤氏は、アーティスト向け無料分析・管理ツール「Spotify for Artists」、2025年に買収したWhoSampledのノウハウを生かしたPremiumユーザー向け機能で、楽曲のクリエイターやサンプリング元などをたどれる「SongDNA」、日本では未ローンチの、楽曲の制作背景をカード形式で表示する新機能「About the Song」も紹介した。
第2部では、LAを拠点に活動する音楽プロデューサーのヒロイズム、『僕のヒーローアカデミア』『ハイキュー!!』などの劇伴を手掛ける音楽作家の林ゆうき、JASRAC理事でボカロPのねじ式が登壇し、「クリエイター視点で考える日本音楽の海外展開」について意見を交わした。林ゆうきは、2020年のSpotify年間ランキング「海外で最も再生された国内アーティスト」6位にランクインした際、自身のリスナーの8割がアメリカを中心とした海外であることに気づき、アニメコンテンツの世界的影響力を実感して海外を強く意識するようになったと明かした。
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