「ULTRA JAPAN 2018」5周年を迎えた今年は3日間で10万人を動員

コラム Izumi Sakamoto

 

9月15日から17日までにわたり、TOKYO ODAIBA ULTRA PARK(東京・お台場の特設会場)にてULTRA JAPAN 2018が開催された。一部悪天候に見舞われながらも3日間で延べ10万人(15日に3万人、16日に3万5000人、17日に3万5000人)を動員した。

1999年のアメリカ・マイアミでのULTRA MUSIC FESTIVAL開催を皮切りに、現在では全世界20カ国にてグローバルに展開しているULTRA。世界各地でダンスミュージックファンを熱狂させているULTRAの日本版であるULTRA JAPANは、2014年の初開催から過去4年間で延べ37万人以上を動員、都市型ダンスミュージックフェスティバルとしてシーンを牽引してきた。世界のトップDJが繰り広げるハイレベルな音楽はもちろんのこと、映像や照明、特殊効果などを駆使した迫力ある演出、また、都市型のロケーションやファッション性なども含めて大きな注目を浴びている。
 

「ULTRA JAPAN 2018」

5周年を迎える今年は、総勢87組のアーティストたちが集結。MAIN STAGEには、今回がULTRA JAPAN初出演となったグラミー賞受賞アーティストのZeddを筆頭に、3月のULTRA MUSIC FESTIVALにて再結成したSwedish House MafiaのメンバーからなるAxwell Λ IngrossoとSteve Angelloの2組や、日本で今大人気のJonas Blue、DJブースにドラムを持ち込んでライブバンドを思わせるような躍動感あるステージを披露したGalantisに、ヒップホップとEDMの掛け合わせを得意とするDJ Snakeや、三代目 J Soul Brothersとのコラボレーションでも知られるAfrojackなど、世界で活躍するトップアーティストたちが出演した。
 

「ULTRA JAPAN 2018」

そのなかでも圧巻のステージを披露したのが「トランスの神様」と呼ばれるArmin van Buurenだ。怒涛のトランスのなか、絶妙なタイミングでオーディエンスを煽りながら、フロアを華麗にコントロール。一体感の生まれた会場で、音に身をゆだねて気持ちよさそうに踊る満員のオーディエンスが足元を大きく揺らしていた。イギリスの『DJ Magazine』誌が選ぶ「TOP 100 DJs」において、史上最多の世界No.1 DJに輝き、かつ史上最長の連続トップ3入りを果たしているArmin van Burrenの実力を体感したステージだった。

テクノやハウスの世界的アーティストたちがラインナップするRESISTANCE STAGEには、世界No.1女性DJとも称されるNINA KRAVIZが登場。全世界のULTRAでも初めての出演となった今回は、テクノを中心としたセットリストを披露し、パワフルなプレイで観客を沸かせた。
 

「ULTRA JAPAN 2018」

もちろん海外アーティストだけでなく、日本人アーティストも活躍。MAIN STAGEではKESUKEやYASUTAKA NAKATA、RESISTANCE STAGEではKEN ISHIIやTAKKYU ISHINO、OSAMU Mらがフロアを揺らした。3つ目のステージであるULTRA PARK STAGEでは国内のクラブで現在活躍しているDJが多数プレイ。現在の日本のシーンを感じる絶好の機会となった。

会場にはVIP専用ラウンジに、女性専用エリアやパウダールーム、さらにはエアクッションの置かれたスペースなども設けられ、ホスピタリティが充実。また、昨年好評を博したOnitsuka Tigerの世界観を表現した空間「Onitsuka Tiger Street in ULTRA JAPAN」がグレードアップして登場。シューズをモチーフにした巨大オブジェやDJステージが設置され、国内外の若手アーティストたちによるライブパフォーマンスやライブペインティングが行われるアーティスティックな風景は、絶好のインスタ映えスポットとしても人気で昼夜問わず賑わっていた。
 

「ULTRA JAPAN 2018」

過去4回のULTRA JAPANには46カ国から来場者が訪れており、国際色が強いことも特徴のひとつ。今年も日本のほか、アメリカやカナダ、ベルギーにスペインやデンマーク、ブラジルやチリなど、さまざまな国旗を手にした来場者たちの姿が見られた。

世界各地で開催されているULTRAはライブ配信にも積極的で、今年のULTRA JAPANはYoutube、LINE LIVE、さらにTwitch、Amazon.co.jpのULTRA JAPAN特設ページで配信が行われた。Amazon.co.jpのULTRA JAPAN特設ページには、過去のULTRA JAPANコンピレーションアルバムや出演アーティストの楽曲紹介、さらにはアルコール類やエナジードリンクの購入ページのリンクなども設置され、特設ページをプラットフォームに、Amazon.co.jpのサービスを活用した新しいフェスの楽しみ方が提案された。Amazon.co.jpのライブ配信事業への参入が、ULTRA JAPANはもちろん、業界全体にも今後どのように影響を与えていくのかに注目したい。
 


 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

ロンドン在住、フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。

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