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TIDAL、AI生成曲に自動タグ付け ロイヤリティ支払い対象外に

ビジネス 海外

音楽ストリーミングサービス「TIDAL」は6月29日、AI生成音楽に関する方針を発表。アプリ内でAIによって完全に生成された音楽に自動的にタグを付け、ロイヤリティを受け取れないようにすると明らかにした。

アーティストになりすましたり、詐欺に関与したりするAI生成音楽も削除する。AIタグは、検出手法の向上に伴い「実質的に」AIによって生成された楽曲にも拡大していく計画。また、ディストリビューターに対し、自社プラットフォームに届く前に、AI生成コンテンツを特定することを求めている。

インディーアーティスト向けの「TIDAL Upload」ツールについても同様の基準を適用。完全にAIによって生成されたとみなされるアップロードコンテンツについては、ファンへの直接収益化をブロックする。

AI生成音楽の全面禁止を意味するものではなく、方針・基準を満たす限り「AI生成音楽を受け入れる」意向。AI生成音楽に関する方針は「技術の進歩に応じて」継続的に更新していく。

同社は今回の措置について「技術の進歩を批判するわけではない」と強調。自社の受信箱が金銭的な利益のみを目的として、AIによって完全に生成され、既存のアーティストになりすました音楽で溢れかえっているからだと説明した。

「公正かつ適切にライセンスされた」モデルに基づいて作成された楽曲など、一部のAI生成音楽がロイヤリティの対象となるべきかどうかについて、現在議論が続いているという。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

高音質を売りにする音楽配信サービスTIDAL(タイダル)が、AIだけで作られた楽曲にロイヤリティを支払わない方針を打ち出した。TIDALは、ラッパーのJAY-Zが2015年に立ち上げ、現在は決済大手Blockが運営する、61カ国展開のサービスだ。ビヨンセら大物が株主に名を連ね、「アーティストへの手厚い還元」を掲げてきたことで知られる。

今回の措置は、その哲学の延長にある。完全にAI生成と判定された曲にはロイヤリティも直接販売も認めず、なりすましや詐欺的な楽曲は削除する。SpotifyやApple Musicが主にラベル表示にとどめるなか、TIDALは「報酬を絞る」という一歩踏み込んだ対応を選んだ。同社は「技術の進歩を批判するわけではない」と強調しており、AIそのものの否定ではなく、詐欺目的の粗製乱造から人間の作り手を守るのが狙いだ。

還元にこだわってきたサービスらしい判断だと読み取れる。

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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