撮影:福岡諒祠(GEKKO) (C)BanG Dream! Project
RAISE A SUILENが東京、神戸、香港の3都市を巡るライブ『RAISE A SUILEN LIVE 2026「Boot IGNITION」』。その初回である東京公演が2026年6月18日、SGC HALL ARIAKEにて開催された。次世代ガールズバンドプロジェクトBanG Dream!(バンドリ!)発のバンドとして2018年に本格始動し、その圧倒的なパフォーマンス力で多くのファンを魅了してきた彼女たち。今年はすでに『MEGA VEGAS 2026』『FLOW THE FESTIVAL 2026』に出演し、ここから『Animelo Summer Live 2026 -Messenger-』『BEAT AX -SUMMER EDITION 2026-』『LuckyFes’26』『FEST. INAZUMA 2026』『ナガノアニエラフェスタ2026』と大型フェスやイベントへの出演が続くなど、その活躍は実に目覚ましい。今勢いに乗っているそんなRAISE A SUILENのパフォーマンスを、これでもかと堪能できたこの日の公演の様子をレポートしていこう。
■2026.06.18『RAISE A SUILEN LIVE 2026「Boot IGNITION」』東京公演@東京・SGC HALL ARIAKE
(C)BanG Dream! Project
ライブ当日朝、東京都は全域に渡って大雨に見舞われていた。そんななかRaychell(レイヤ役・Ba.&Vo.)がSNSに「RAS日和の天気じゃないか」と投稿すると、この日のライブを心待ちにしていたファンたちからのメッセージが飛び交い、開演までかなり時間があるにも関わらず、その熱気は強大なものとなっていた。そんな朝一の盛り上がりから約10時間が経過し、太陽が姿を覗かせ始めた夕刻、会場であるSGC HALL ARIAKE周辺は高温多湿な空気に包まれる。ここにこの日の公演を楽しみにしていたファンが詰めかけると、アリーナは立錐の余地がないほどの満員に。彼らの眼前に設置されたスクリーンには、RAISE A SUILENのバンドロゴを用いた映像が映し出され、画面に大きな変化が訪れる度に歓声が上がる。この公演に対するオーディエンスの期待感がありありと伝わってくるようだった。
そして迎えた開演の瞬間、フューチャリスティックなフォントで書かれた『RAISE A SUILEN LIVE 2026「Boot IGNITION」』との文字がステージ後方に設置された大型スクリーンに浮かぶと、サイバー空間へとダイブしていくかのような映像に始まる、RAISE A SUILENメンバー紹介動画が映し出され、パフォーマンス前から熱狂が巻き起こる。続けてRAISE A SUILENが登壇すると、この日のファーストナンバー「CORUSCATE -DNA- 」が解放され、Raychellの力強い歌声と紡木吏佐(チュチュ役・DJ)の挑発的なラップがオーディエンスのテンションを引き上げていく。
撮影:福岡諒祠(GEKKO) (C)BanG Dream! Project
少しここでこの日のステージセットにも触れておきたい。先ほども書いた通り、ステージ後方には大型スクリーンが設置されており、ここでは音楽に合わせたアニメーション映像や楽曲のMVが上映され、楽曲の世界観に奥行きを与えていた。一方で、ステージ両サイドには縦長のスクリーンが設置されており、ここでは主にステージ上で展開されるパフォーマンスの様子が映し出され、ときに手元をアップにするなど、この日のライブの様子が細部まで見て取れるようになっており、会場全体を使ってオーディエンスをより深くRAISE A SUILENの世界に没入させるための工夫が施されていた。
話をライブへと戻そう。1曲目からこれでもかと会場を熱くし、オーディエンスからの「Wow wo wow!!」とのコールを引き出したRAISE A SUILEN。彼女たちを代表してRaychellが「こんばんは、RAISE A SUILENです」と定番とも言える挨拶を放つと、続いてのナンバー「Bad Kids All Bet」をキックする。オーディエンスが手にしたペンライトを激しく揺らし、ときにその場で小気味よく跳ねると、Raychellを挟む形で揃い立つ小原莉子(ロック役・Gt.)と倉知玲鳳(パレオ役・Key.)が左右にステップしながらパフォーマンスし、会場に溢れる音を全身で楽しんでみせる。そんなハイボルテージな2曲を終えて会場からの大歓声をほしいままにすると、さらに続けて「Domination to world」をドロップ。冒頭からフルスロットルかと感じられたRaychellのボーカルが、まさかのここで一段ギアを上げ、力強さに拍車がかかる。その歌声は会場を圧倒すると、ここでさらに夏芽(マスキング役・Dr.)が打ち鳴らすパワフルなビートが響き、オーディエンスは激しく身体を揺らす。続いて打ち込みのビートが展開されると、「DEAD HEAT BEAT」がシームレスに展開。オーディエンスからは「NA NA NA」とのシンガロングが上がり、会場の一体感はこの上ないところまで駆け登っていった。
ここでスクリーンにはサイケデリックな映像が映し出され、ダンサブルなサウンドがしばし会場に鳴り響くと、続いてRaychellの「誰が何と言おうと決めるのは自分自身」との言葉から始まったのは「DANCING DARING」。夏芽の打ち鳴らすビートにあわせてぴょんぴょんと跳ねる小原莉子、倉知玲鳳、紡木吏佐の姿は、鳴り響く音の力強さと相反しキュートな印象で目を奪われる。さらには小原莉子が箱馬に足をかけてギターを掻き鳴らせば、ラストにはRaychellと背中合わせになってパフォーマンスし、視覚面からもオーディエンスを魅了した。ここでステージ後方の小上がりに登り、真紅の光に照らされたRaychellが手にした鳴り物から低音を響かせる。すると続いて黄金色の光に包まれた夏芽がビートを返し、まるで音楽を使って会話するかのようなパフォーマンスが展開される。そこからライブ初披露曲である「RUNAWAY STAR」をスタートさせると、「Hi!!」とのコールが会場中で巻き起こった。
撮影:福岡諒祠(GEKKO) (C)BanG Dream! Project
ここでスローでケミカルな電子音が会場に響くと、あわせて倉知玲鳳が華麗な指さばきでキーボードの音色をあわせ、「Takin’ my Heart」がスタート。ローテンポのサウンドにあわせ、これまで以上に一言一言に力を込めて放っていくRaychellの歌声を、オーディエンスは身体を揺らしながら聴き入った。ここでイエローグリーンとライトパープルの光がステージ上を駆け巡ると、走り出したのは「Embrace of light」。エモーショナルさと力強さが共存したそのパフォーマンスがオーディエンスをこれでもかと引き込むと、RAISE A SUILENの面々は一度ステージを後にした。
■ワンマンでは久々に披露!あの曲が会場を席巻!
誰もいないステージ上部に掲げられたスクリーンに「周囲に注意してください」とのメッセージが突如として映し出される。そこから立て続けにRAISE A SUILEN楽曲のインストに合わせて振り付け指示がなされると、オーディエンスが指示にあわせて身体を動かし、会場の一体感は加速していく。ここに続いてのナンバー「mind of Prominence」が、ステージに舞い戻ったRAISE A SUILENによってドロップされると、Raychellと紡木吏佐の声のマリアージュがオーディエンスを震撼させ、ラストは「Come to Prominence」の一言でそのパフォーマンスを締め括った。
ここでチップチューンとハードロックの融合が面白い、Fear, and Loathing in Las Vegas提供曲「Drown Out the Noise and Push Through the Trash」が走り出す。背後のスクリーンにはレトロゲーム調に描かれたRAISE A SUILENが躍動するMVが映し出され、楽曲の魅力がより立体的になると、途中紡木吏佐がステージ前方へと歩みを進めラップを披露するなど、見どころ満載のパフォーマンスを展開。会場は高い熱気に包まれ、オーディエンスはその場で小気味よく飛び跳ねた。
撮影:福岡諒祠(GEKKO) (C)BanG Dream! Project
続けてスピーカーから鳴り響くクラップの音にあわせてオーディエンスが手のひらを打ち鳴らすと、紡木吏佐の「Dive to Live !!」との言葉から「WHAT AN EXPLOSION」が走り出す。ステージにはこれでもかというほどのスモークが降り注ぎ、会場は「限界を超えて」熱くなる。ここで紡木吏佐が「改めましてWe are RAISE A SUILEN」と名乗りを挙げると、「次の曲、ワンマンでやるのはだいぶ久しぶりですけど、皆さんしっかり踊れますか!?」とのフリからスタートしたのは「灼熱 Bonfire!」。トロピカルなサマーチューンが激しく熱せられた会場を夏にすると、オーディエンスたちは久々とは思えないほどにキチッと振り付けをあわせ、高次元の一体感が会場に生み出される。
さらにここで「次の曲も皆さんに踊っていただきます」とアナウンスがなされると、「V.I.P MONSTER」がスタート。Raychellが人々を先導するかのように強力な歌声を響かせて会場を席巻。さらにここで彼女からの「まだまだ一つになって遊んでいくよ!」との檄が飛ぶと、RAISE A SUILENの面々が次々にソロパフォーマンスを展開し、その締め括りとして紡木吏佐が「3.2.1 GO!」とシャウト。「!NVADE SHOW!」が鳴り響くと、ステージ上で5人が暴れながらパフォーマンス。途中Raychellからの「あれ? お前ら体力ないんじゃない!? そんなんじゃね、東京湾に放り込んで泳がせちゃうからね!」との煽りも飛び、オーディエンスたちは高揚しながら頭上で激しく手を回した。
間髪を入れずに“あのリフ”が会場に響き、紡木吏佐のスクラッチに続く形でスタートしたこの日のラストナンバーは「EXPOSE ‘Burn out!!!’」。オーディエンスもRAISE A SUILENも、持てるエネルギー全てをここで使い果たさんと声を上げ、身体を激しく揺らす。さらに終盤には会場全員でのヘッドバンキングも巻き起こり、SGC HALL ARIAKEはこれでもかというほどのエネルギーに包まれる。そして大盛況のまま、この日のステージは締め括られたのだった。
撮影:福岡諒祠(GEKKO) (C)BanG Dream! Project
そのあまりに熱いステージングに、会場はしばしざわめきに包まれた。そんなざわめきに応えるかのように、RAISE A SUILENがReBoot(再起動)してステージに舞い戻ると、力強い歌声で「UNSTOPPABLE」を披露。途中「会場、上から下まで全員で頭振っていこうか」との煽りも発され、歌いながら髪をかき上げるRaychellの仕草は凛々しく目を引くものだった。
そしてこの日初めてのMCパートへ。5人がステージ上に横一列に並ぶと、今回のライブタイトルに用いられた「Boot IGNITION」という言葉の裏テーマや、ライブ初披露となった楽曲について感想が語られる。さらにはこの日の白を基調に、ところどころにゴールドやシルバーをあしらった近未来的なデザインの衣装が、2019年に開催した『RAISE A SUILEN 「Heaven and Earth」』のリメイクであることに触れ、全員揃って一周してその全貌を披露。さらに今年はフェスへの出演続きであることに触れると、改めて演奏用のポジションへと戻り、「お前ら暴れる準備はいいか!」との掛け声からこの日の真のラストナンバー「HELL! or HELL?」がオーディエンスへと叩きつけられる。強大なヘッドバンキングが巻き起こると、会場の温度をカンカンに熱くなり、Raychellの「お前ら最高ー!」との一言でこの日の公演は終幕を迎えた。
撮影:福岡諒祠(GEKKO) (C)BanG Dream! Project
近年のRAISE A SUILENの進化は並々ならぬものがある。2018年に本格始動して以降、大小様々なステージを経験してきた彼女たちだが、そのパフォーマンス力は加速度的に成長しており、他の追随を許さないレベルへと到達している。それを改めて痛感させてくれたのがこの日のパフォーマンスだった。ここから立て続けにフェスへの出演を果たし、さらには『RAISE A SUILEN LIVE 2026「Boot IGNITION」』でBanG Dream!発のバンドとして初めての香港でのライブという金字塔まで打ち立てる彼女たち。今後その道の先で展開される景色に期待を向けずにはいられない。
取材・文:一野大悟 撮影:福岡諒祠(GEKKO)

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