MISIA、星空のライヴ・アジアツアーが開幕 11年ぶりの香港公演でファンを魅了

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撮影:SANTIN AKI

2023年より行われている「MISIA 星空のライヴⅫ〜Starry Night Fantasy〜」のアジアツアーがスタートした。最初の会場となったのは香港。3月17日にKITEC(Star Hall)。MISIAにとって香港でのライヴは、2013年6月以来約11年ぶりとなった。

オープニングのドラムのインプロヴィゼーションから熱い歓声が響く会場は、MISIAの登場とともにすでにその熱気はピークへ。1曲目「BELIEVE」の祝福的なグルーヴで幕を開けると、早速MISIAがオーディエンスとのコール&レスポンスで盛り上げていく。

最初のブロックを終え、MCに入るまでのあいだも依然会場の興奮は収まらない。至るところから「MISIA――!」と呼びかける声が響く。MISIAもそれに応えて、「Welcome to the Show!」と声を発する。流暢な英語での挨拶から、「ちょっと待ってね」と日本語で一呼吸置いて広東語で挨拶。

大歓声で応えるオーディエンスから、この日のライヴを心待ちにしていたのがひしひしと伝わってきた。

11年前にMISIAのライヴに行ったという人ももちろんいただろう。けれど会場には、その間にMISIAの存在と音楽を知ったというファンが多かった。そこにはサブスクリプションサービスの発達で世界中の音楽がスマホから楽しめるようになったという時代の恩恵はもちろん、MISIAの中華圏での知名度によるところが大きい。

特に、コロナ禍真っ只中の2020年に出演した中国の国民的音楽番組として知られる「歌手SINGER」でのパフォーマンスは一躍話題となり、MISIAの歌を広く知らしめるきっかけとなった。そうしたことからも会場に詰めかけたファンの熱気が高まっていたのもうなずける。

「忘れない日々」「月」といったバラードの世界をさらに深めるピアノのインタールードにあたたかい拍手が送られる。「果てなく続くストーリー」「逢いたくていま」「明日へ」とMISIAの歌をじっくりと堪能できるパートが続く。「明日へ」のラスト、ボーカルのロングトーンではいつまでも拍手と歓声が鳴り止まなかった。その瞬間、この会場にいる人たちの感情が、文字通り国境を越えてひとつになった。そのうえで歌われる次の「希望のうた」に込められた平和への願いがより切実なものとして響いた。

アンコールを呼び込むオーディエンスの熱気は凄まじいものがあった。歓声が波のように大きく弾けてはまた起こり、というのが何度も繰り返された。拍手はどんどん速まり、「MISIA」コールが鳴り止まない。

アンコール1曲目は、「とてもとてもスペシャルな曲」と英語で紹介して披露した、ミニー・リパートンの「Lovin’ You」のカバーを披露。アンコールのメニューを全て演奏し終え、バンド紹介をして、ひとり残ったステージで、最後に歌った「アイノカタチ」のサビをオーディエンスの手拍子に合わせてアカペラでパフォーマンスした。「See you again! 約束ね!」いつまでもオーディエンスに応えているMISIAの姿が印象的だった。

なお、今ツアーは4月4日に台湾で開催される公演にてついにファイナルを迎える。

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