吉川晃司、よこすか芸術劇場より全国ツアー「KIKKAWA KOJI LIVE 2022-2023 “OVER THE 9”」をスタート

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写真:平野タカシ

11月2日に6年半振り、通算20作目となるニュー・アルバム「OVER THE 9」をリリースした吉川晃司が、11月20日神奈川・よこすか芸術劇場より全国ツアーをスタートさせた。来年2月23日&24日、東京・日本武道館で行われるツアーファイナルまで、全21公演に渡り開催される。

本ツアーでは、発表当初からバンドメンバーにも注目が集まっていた。菊地英昭(Gt)、ウエノコウジ(Ba)、湊雅史(Dr)、ホッピー神山(Key)という吉川のツアーではお馴染みのメンバー加え、LUNA SEAのINORAN(Gt)が初めてその名を連ねたのだ。

満員の客席。開演時間が近づくと、自然に拍手が起こり、その音はどんどん大きくなっていった。バンドメンバーが薄闇に沈むステージへ。吉川晃司がステージ中央から歩み出てくる。拍手が一段と大きくなる。スタンドマイクを引き寄せ、吉川が歌い出したのはニューアルバム「OVER THE 9」からの新曲だった。

吉川が今も収束という未来が見えないコロナ禍や、戦争が勃発している現在の世の中を「何かが欠けている。10に満たない世の中。それでも少しずつ前進しよう」という思いをこめてタイトルをつけたというニューアルバム「OVER THE 9」からは、吉川らしい骨太なスピードチューン「ソウル・ブレイド」や、軽快なシャッフルビートにのり吉川のボーカルがスウィングする「ギムレットには早すぎる」などを含む新曲6曲を初披露した。

「ごきげんよう、吉川です」という挨拶からスタートした最初のMCでは「やっとこうやって笑顔の再会が出来て嬉しい」と笑顔を見せた後、この日チケットがソールドアウトし急遽立ち見の追加席が販売されたことに「満員御礼、ありがとうございます」と軽く一礼。満員の客席を見上げ「約3年ぶりですね、こういう光景は」と嬉しさを噛みしめた後、こう結んだ

「徐々に以前のような感じに、ね。今日はお互いに気を入れすぎないようにして楽しみましょう」

満員の観客は、まだ吉川に声援を送ることが出来ない状態の中、大きな拍手や両手を大きく振るなど、それぞれのスタイルで吉川の“想い”にレスポンスした。

代表曲「LA VIE EN ROSE」「にくまれそうなNEWフェイス」など、代表曲や初期のアルバム収録曲も組み込まれたセットリストに、満員の観客も盛り上がる。

吉川は、喉の奥を鳴らすような渋い低音を存分に響かせたり、ロングトーンで細かくヴィヴラートをかけたり、スキャットを披露したりと、多彩なスキルを使い観客を楽しませた。

「GOOD SAVAGE」では、イントロから菊地、INORAN、吉川が同じフレーズを弾くというトリプルギターが炸裂。この曲の終盤、3人がステージセンターで繰り広げたギターバトルは、他では決して観ることの出来ないレジェンド級の名シーンであった。さらに自らギターを弾きながら歌い、エンディングでギターを外してからシンバルキックに挑むという、吉川のチャレンジ精神を象徴するような演出も登場。見事にシンバルキックを決め、観客とステージ上のメンバー達を大いに沸かせた。前述したトリプルギターに加え、吉川のシャウト、菊地、INORAN、ウエノ、ホッピーのコーラス、曲間でも流れを止めないドラムの湊のカウントと、すべてが見せ場といっていいライヴだった。

なお、この日の終演後、ツアーファイナルとなる日本武道館ライヴの2日目、2月24日「KIKKAWA KOJI LIVE 2022-2023 “OVER THE 9”EXTRA SHOOTING LIVE」の追加席販売が決定したことがオフィシャルサイトで発表された。11月26日から抽選販売の受付がスタートする。

ツアーはまだスタートしたばかり。来年2月24日の日本武道館ファイナルまで吉川晃司は全力で全国を駆け抜ける。

テキスト:伊藤亜紀

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