矢野顕子、名作「LOVE LIFE」が同タイトル映画公開に合わせて初アナログ化

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矢野顕子「LOVE LIFE」

矢野顕子が1991年にニューヨークへ移住して初のアルバムであり、エピック・レコード移籍第1弾となったアルバム「LOVE LIFE」が、同作をモチーフとして作られた映画『LOVE LIFE』公開に合わせて9月9日、初アナログ化で発売される。

本作はNYパワーステーション・スタジオ(現Power Station at BerkleeNYC)で録音、ラリー・アレクサンダーがミックスを担当。THE BOOMの「釣りに行こう」や、宮沢和史との共作「湖のふもとでねこと暮らしている」を収録。Jeff Bovaがサウンド面に携わるようになり、ジャズだけでなく本来のロック的な要素が戻ってきた愛溢れる力作であり、日本のポップ・ロック史に残る名盤。

今回、映画『LOVE LIFE』の深田晃司監督からのアルバム「LOVE LIFE」アナログ盤リリースへのコメントが届いている。

深田晃司監督コメント

それはもう20年も前のことです。

矢野顕子さんのピアノ弾き語りに心を掴まれた二十歳の頃、矢野さんのアルバムを片っ端から貪る中で「LOVE LIFE」と出会いました。
「愛はたくさん」というこれもまた大変な名曲の後、ひとときの無音を挟んで始まったイントロのピアノの響き一つ一つがもう素晴らしくて、一気に楽曲の世界に引き込まれ、そして、祈りの所作のように静かで厳かなピアノに導かれ続いた歌声の伸びやかさ、美しさたるや。そのときの衝撃と感動は今も忘れられません。

間奏での矢野さんのピアノとパット・メセニーのギターの息詰まるような緊張感に満ちたハイレベルなセッションもまた、思い出しても鳥肌が立つ素晴らしさだった。

それから20年間、この歌を聴き続け、一度たりとも飽きたと思ったことはありませんでした。

2020年に入り、突然訪れたコロナ禍によって、それまで当たり前と思っていた生活様式は当たり前ではなくなり、全世界が分断の波に飲み込まれました。大切だったはずのものが突然取り上げられ、それでもなお生き続けなくてはいけない孤独のなかで、多くの人が改めて生きることの意味と向き合うことを余儀なくされたはずです。

そんな時代だからこそ、「どんなに離れていても 愛することはできる心のなか広げる柔らかな日々」と歌う「LOVE LIFE」の歌声は、まるで遠方より届いた優しい友だちからの手紙のように人々の心に寄り添うのだろうと思います。

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