高橋幸宏と細野晴臣によるエレクトロニカ・ユニット SKETCH SHOW、アルバム3作品がアナログ化

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SKETCH SHOW「audio sponge」

SKETCH SHOWが過去に発売したアルバム3作品が、7月21日にアナログ12inchでリリースされる。

高橋幸宏、細野晴臣の2人によるエレクトロニカユニット・SKETCH SHOW。2002年に1stアルバム「audio sponge」をリリースする際は、YMOの2人による新プロジェクトであること、しかも坂本龍一がゲスト参加することなどを含めて、音楽ファンたちを大いに湧かせた。2人のSKETCH SHOWとしての活動は2005年頃までに留まるが、2002年から2003年にかけて「audio sponge」「tronika」「LOOPHOLE」とアルバムを次々に発表したほか、「WIRE02」「sonar 2003」「CYBERSONICA’03」「SUMMER SONIC 2004」など、国内外の多数の音楽フェスティバルに出演。さらに坂本龍一をメンバーに加えYMOメンバーが勢ぞろいしたHuman Audio Sponge(HAS)やその変名ユニットのHASYMO、2008年のYELLOW MAGIC ORCHESTRA名義でのヨーロッパツアーなど、2人の後の音楽活動の大きなきっかけとなった。

今回アナログ化が実現したのは、上記の「audio sponge」「tronika」「LOOPHOLE」の3作品。それぞれアナログ12inchで、曲数の多い「audio sponge」と「LOOPHOLE」は音質面にこだわり、2枚組でのリリースとなる。

各作品のトピックに触れていくと、「audio sponge」は12曲入りで、「Wonderful To Me」「Supreme Secret」に坂本龍一が、「Turn Turn」「Return」にTOWA TEIが参加。また細野が作曲したスネークマンショー「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」、The Cyrkleの「Turn Down Day」、フランス映画『セシルの歓び』の挿入歌「Do You Want To Marry Me」など、2人のセンスを存分に感じさせるカバーも聴きどころだ。

「audio sponge」がカラフルなエレクトロニカ作だとすれば、続く「tronika」は、北欧のフォークトロニカからの影響がより強まった作品に。生楽器と電子音が絶妙に溶け合う、温かみを感じさせる世界観が魅力だ。なお、収録9曲のうち2曲はコーネリアスによる「chronograph」「ekot」のリミックストラックで、3曲がインタールードとして収められる。
そして「LOOPHOLE」は、「tronika」で表現されたサウンドの傾向を深めつつ、シバオカチホによるスウェーデン語の声や電子ノイズを音楽的に響かせ、アンビエントやミニマルテクノが持つ静謐な雰囲気も表現された1枚。坂本龍一が「MARS」「ATTENTION TOKYO」に参加したほか、コーネリアスとSAFETY SCISSORSによるリミックストラックを聴くことができる。

最後のオリジナルアルバムである「LOOPHOLE」の発売から約20年を経た今でも、当時のファンはもちろん、若い世代のアーティストや音楽ファンからも活動再開を渇望する声が止まないSKETCH SHOW。短い活動期間ながら音楽シーンに大きなインパクトを残した彼らの音源が、今回ようやくアナログでリリースされることになる。

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