hide、誕生日ライブ「Sing along live “Hi-Ho!”」を初の無観客・有料配信ライブで開催 ライブレポート到着

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hide Birthday Party 2020 Sing along live “Hi-Ho!”

「hide Birthday Party 2020 Sing along live “Hi-Ho!”」が、hideの誕生日12月13日に神奈川・CLUB CITTA’で初の無観客・有料配信ライブとして開催された。

ライブレポート

待ちに待ったこの日が、今年もやってきた!

毎年、hideの誕生日に華やかに開催される「hide Birthday Party」。今年は、新型コロナウイルスの影響で中止となった春のhide Memorial Dayに行われる予定だったトリビュートライブ「Sing along live “Hi-Ho!”」が、hide Birthdayの聖地であるCLUB CITTA’からの配信という形での開催となった。初となる無観客・有料配信ライブであるが、新しいことや面白いことが大好きだったhideのことだから、この新しいチャレンジをおおいに喜んでいるに違いない。

この日のために用意したワイヤレスイヤホン「hide TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES」をiPadに同期させ、配信URLを開いて開演を待つ。普段のライブとは一味違うドキドキ感である。

配信ライブは、DJ浅井博章のイベントの主旨説明、出演アーティストの紹介からスタートした。「Sing along live “Hi-Ho!”」とは、もともとステージ上のミュージシャンと一緒に会場のオーディエンスも歌おうという企画。今回は配信ライブなので、会場に観客はなし。それでも、hideの名曲達をそれぞれの場所でみんなで歌って、バースデーをお祝いしようという主旨なのだ。

画面が暗転すると、「PSYCHOMMUNITY」のSEが流れ、ステージの幕が上がる。演奏は、defspiralのMASATO(G)、RYO(B)、MASAKI(Dr)の3人。ヴォーカルは、木村世治(ZEPPET STORE)、CUTT(SPEED OF LIGHTS / shame)、TAKA(defspiral)と、hideのパーティではおなじみの顔ぶれである。ドラムセットやステージ前のモニター脇など、あちこちでhide人形がステージ上のミュージシャンを見守っている。

まず演奏されたのは、ハイパーチューン「DICE」。配信画面にはオーディエンスが一緒に歌えるように、歌詞が映し出されている。レーザー光線がステージ上を飛び交う中、TAKA、木村、CUTTが歌いつないでいく。ドラムが軽快なリズムを刻み、2曲目は「Beauty & Stupid」。イントロで木村やTAKAが、「自宅、自宅」「アリーナ、アリーナ」と、カメラの向こうにいるオーティエンスを盛り上げる。CUTTはhideのサングラスをかけ、MASATOとのツインギターを披露するなど、大活躍。ステージバッグのスクリーンには、hideのライブ映像が映し出され、配信画面にもhideの映像がインサートされ、ステージ上のアーティストとオーディエンスとhideが一緒になって楽しんでいる気分になる。

最初のMCでは、CUTTが「楽しすぎる!」、TAKAが「待たせた分、楽しませます(開演が15分ほど押した)」、木村が「ご自宅のアリーナ最前で、盛り上がりましょう」と、挨拶。次は、3人のソロコーナーである。

「盛り上げた隊長/新入社員のわたしが、一曲、歌わせていただきます」というCUTTが歌うのは、「50% & 50%」。RYOがコーラスでサポートし、CUTTは笑顔いっぱいで楽しそうに歌っている。「うそつき」というつぶやきから始まる「DOUBT」。全身黒づくめのTAKAが、攻撃的な声を全開にして迫力たっぷりに歌う。そして、木村が歌うzilchの「SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN」。全編英語詞のこの曲を、木村はパンキッシュな声と歌唱法で自在に表現していた。

続いては、スペシャルゲストコーナー。春のhide Memorial Dayの時に出演予定だったミュージシャンが、再集結。日本で初めてスカをヒットさせたミクスチャーロックの先駆者と紹介されたLÄ-PPISCHのMAGUMI(MAGUMI AND THE BREATHLESS)が、「ピンクスパイダー」をアグレッシブに歌唱。hideとはインディーズ時代から交流があるTUSK(THE SLUT BANKS / ex-ZI:KILL)は、「hideさん、最近はどこで飲んでますかー?」と声をかけると、ギター1本で「GOOD BYE」を切々と歌い上げ、魂のこもった歌声を披露した。hideが少年時代から憧れていたギタリスト山本恭司(BOWWOW/VOW WOW/WILD FLAG)。多忙のため、事前収録での出演であったが、中学時代のhideがVOWWOWの楽屋に押しかけてきたエピソードや、デビュー後の交流秘話を語ってくれた。そして、アームを駆使した独特のスペイシーなギターサウンドで、圧巻の「FLAME」をプレイした。

その余韻が漂っている中、ステージではあたたかな雰囲気で「LEMONed I Scream」の演奏が始まった。ステージ中央の木村がギターを弾きながら、CUTTとTAKAと3人で歌う。次は、アレンジを変えた「ever free」。ところどころで3人がハモリ、中盤からは楽器演奏も加わり、徐々にテンポアップしていく。hide関連のステージだけでなく、一緒にツアーを回ったりと交流の深い3人だけに、コーラスも掛け合いも息がぴったりである。

DJ浅井が、次のスペシャルゲストを紹介している間から、歪んだギターのノイズが聞こえてくる。hideの盟友PATAが登場し、「CELEBRATION」の演奏が始まった。ゴールドのレスポールを抱えたPATAとスピーカーを持って歌うhideのライブ映像が交互に映し出されると、本当に仲間たちがhideを囲んで演奏しているようだ。

そして、ライブはクライマックスに向かって、加速していく。「もっともっとぶっ飛んでいきましょうか!」と、「ROCKET DIVE」。「歌い足りないか?」と、「TELL ME」。「この曲をみんなで響かせましょう」と、「MISERY」。「最後は、みんなで盛り上がっていきましょう!」というMCで、大きなhide人形を持ったMAGUMIと椅子を持ったTUSKが再登場。その椅子にhide人形を座らせてステージ中央に置き、演奏が始まったのは「Hi-Ho」。全員が楽しそうにhideを囲んで歌う中、エンディングでPATAが白熱したギターソロを披露。ハッピーな笑顔がいっぱいの中、「hide Birthday Party」は幕を閉じた。

ステージの上で出演ミュージシャンを見守るたくさんのhide人形、大型スクリーンに映し出される映像、配信画像に差し込まれるhideのライブシーン。そして、歌やギターの音がとてもクリアに聞こえて、臨場感たっぷりな「hide TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES」のおかげで、楽しいパーティを存分に味わうことができた。無観客の配信ライブではあったけれど、ステージとの一体感、そして圧倒的なhideの存在感を感じる素敵なひとときだった。

文:大島暁美
撮影:上野宏幸 nonfixcreative

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