氷川きよし、コロナ禍で無念にも中止となった幻の全編ポップスコンサートがWOWOWで実現 “氷川きよしというジャンル”の確立を目指して繰り広げた七変化のステージ

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10⽉24日17:30よりWOWOWプライムにて「氷川きよし LIVE 〜Papillon〜 Presented by WOWOW」が放送される。これは、8⽉4日に東京・マイナビBLITZ⾚坂で収録された。

演歌歌手としての人気と実力を兼ね備えながら、近年、新たな表現に挑み、大きな話題となっている氷川きよし。デビュー満20年を迎え、6月には初の全編ポップス・アルバム「Papillon(パピヨン)‐ボヘミアン・ラプソディ‐」をリリース。同作を携え、念願のポップスコンサート開催も決まっていたが、新型コロナウイルスの影響で中止に。そこでこのオリジナルライブ「氷川きよし LIVE 〜Papillon〜 Presented by WOWOW」が企画された。

収録会場であるライブハウスにEDMが鳴り響く中、扉が開き、氷川きよしの姿が露わになる。ダンスをしながら「キニシナイ」を歌い終えると、ジャジーな「Never give up」へ。“自分を生きてゆこう”と誓う歌詞はkii名義、氷川きよし自身によるものである。続く「Going my way」まで畳み掛けた序盤から伝わって来るのは、“我が道を行く”という強い決意だった。

セットリストはアルバム「Papillon(パピヨン)‐ボヘミアン・ラプソディ‐」を網羅し、全曲フルコーラスで披露。「ファッションと音楽って、融合させると面白いものができるなと思って、どんどん制作意欲が湧いてきました」と氷川がコメントしている通り、曲の世界観に合わせた衣装、ヘア&メイクの七変化は大きな見どころ。表題曲「Papillon(パピヨン)」では、黄金のドレスをまとい女神のような風格を漂わせ、風に髪をなびかせながら歌唱。その余韻を消し去る鋭いギターリフで幕開けた「不思議の国」は、黒エナメル衣装で妖艶に。スカート部分を放り投げると激しいロックナンバー「確信」へ突入、そして「限界突破×サバイバー」でボルテージは最高潮に。収録の感想を「ここに、アルバムを聴いてくださった皆さんがいてくれたらよかったのになと、せつない気持ちでした」と氷川は振り返ったが、拳を突き上げながらの熱唱は、無観客であることを忘れさせた。

ピンクのスーツ姿で「青い鳥」「おもひぞら」「Love Song」とミディアム曲群をしっとりと歌い上げたかと思えば、クイーンの日本語詞カバー「ボヘミアン・ラプソディ」では変幻自在な表現者・氷川きよしの凄みが炸裂。圧倒した後、デニムに着替えて「笑っていこうぜ!」を明るく歌い終えると、ここで初めてのMC。「この歌の道はこれからもまだまだ続きますが、自分の中で〝氷川きよしというジャンル″を、おこがましいんですけど、つくっていけたら」と決意を語った。ラストは、愛と包容力に溢れる「This is love」「hug」、そして「氷川きよしのすべてを伝えられる曲になりました」と紹介した、GReeeeNとのコラボレーション曲「碧し」。涙で声を震わせながらの絶唱は、画面越しではあっても胸を打つことだろう。

このライブに寄せて氷川は、「スタッフみんなで作り上げていく過程はとても生きがいを感じましたし、本番もワクワクしながらやらせてもらって、すごく充実して、達成感がありました。ぜひ、多くの方にご覧いただきたいです」とコメント。音楽、ファッション、そして氷川きよしの生き様が重なって生まれる説得力に満ちたパフォーマンスは、多くの人々を勇気付けるに違いない。

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