J-WAVE LIVE 初のオンエア開催終了 アジカン、KREVA、SIRUP、SKY-HI、スガ シカオ、スカパラ、秦 基博、ハナレグミを迎えた最新ライブレポ―ト到着

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7月24日、「J-WAVE HOLIDAY SPECIAL Takanawa Gateway Fest presents J-WAVE LIVE2020 #〜音楽を止めるな〜」が開催された。

J-WAVEが2000年から毎年続けて来たライブイベント「J-WAVE LIVE」を、9:00〜17:55の約9時間にわたり、J-WAVEのオンエアで開催しようという初の試み。出演アーティストは8組で、ナビゲーターはクリス・ペプラー、その8組以外の時間は、過去の「J-WAVE LIVE」におけるさまざまなアーティストたちの、貴重なライブ・テイクが放送された。

会場は、JR山手線高輪ゲートウェイ駅前特設会場にオープンした「Takanawa Gateway Fest」会場内のJ-WAVEプロデュースによるエンターテイメントレストラン、J-WAVE NIHONMONO LOUNGEと、この日が柿落しとなる東京・有明の8,000人キャパの新ヴェニュー、東京ガーデンシアターの2ヵ所。

東京ガーデンシアターのKREVA、ASIAN KUNG-FU GENERATION、東京スカパラダイスオーケストラと、J-WAVE NIHONMONO LOUNGEのSKY-HIとSIRUPは、ライブをリアルタイムで生中継。J-WAVE NIHONMONO LOUNGEの秦 基博・スガ シカオ・ハナレグミは、事前に行ったライブの音源がオンエアされた。

なお、ライブ映像の一部を、「J-WAVEの日」である8月13日20:00から、オンラインで有料配信することも、事前にアナウンスされている。

トップを務めたのは 秦 基博。2014年の大ヒット曲「ひまわりの約束」で始まり、「トラノコ」や「シンクロ」「鱗(うろこ)」を経て「70億のピース」で終わる6曲を、ひとりで弾き語りで聴かせる。

4曲目は、春先に公開の予定だったがコロナ禍の影響で、7月17日にようやく封切られた映画『ステップ』の主題歌として書き下ろした「在る」。映画からインスピレーションをもらって「存在する」というテーマで作った曲であることを、言葉にしてから披露。「僕の半分は君だから いつだって ここに在ると思うよ」というラインが、切実なリアリティを孕んで、とても美しく響いた。

2番手は KREVA。「パーティはIZUKO? 〜2019.Ver〜」「人生」の2曲を終えたところで、「ラジオなんで説明しときますね。KREVAがバンドを従えて、生放送で、東京ガーデンシアターで、杮落しライブをやっています!」と説明を入れる。後半では、それまでコーラスを務めていたSONOMIをフロントに招いて、先月オフィシャルサイト限定でリリースしたばかりの「素敵な時を重ねましょう feat.SONOMI」をデュエットし、続けて彼女と初めてコラボした「ひとりじゃないのよ feat.SONOMI」を披露。ラスト「音色」の後半では、KREVAの歌もSONOMIのコーラスもバンドの演奏も、どこまでもエモーショナルに昇りつめていった。

次は、9月23日に初のベストアルバム「SKY-HI’s THE BEST」リリースが迫るSKY-HI は、1MC+1DJの編成で怒涛の13曲をパフォーマンス。“Sky’s The Limit”や“カミツレベルベット 2020”といったベスト盤収録の新曲群をはじめ、洋楽ヒップホップのトラックと自身のラップを掛け合わせるマッシュアップで驚きと喜びをまとめて提供してみせる。また、韓国人アーティストのReddyと共作した“I Think, I Sing, I Say”を披露し、コロナ禍社会において差別や分断が加速している現実について真剣な面持ちで語る一幕もあった。音楽と言葉の膨大な情報量だけで圧倒するのではなく、いま求められるメッセージを伝え、その思いを運ぶ音楽の重要性を問い直す、そんなステージだった。

13:00からのオンエアは スガ シカオ。ボーカルとアコースティック・ギターのスガに、彼のバンドのメンバーであるギターDURANとドラムFUYUが加わった、変則3ピース編成、ライブでの長年の鉄板曲「19才」でスタート。フットペダルを操って歓声&拍手のSEと掛け合いをしたり、スガとDURANのふたりで初期の名曲「黄金の月」をじっくりと聴かせたりする、バラエティに満ちたライブ。「いつか今のこの状況が収まって、穏やかな日常が来ることを祈って、一歩一歩やっていくしかないんじゃないかと、今は思っています。そんな気持ちをこめて、ひとりで歌いたいと思います」と、4曲目の「Progress」は弾き語りでリスナーに届けた。

ASIAN KUNG-FU GENERATION は、前半は「君という花」「リライト」「ソラニン」「Re:Re:」という怒濤のヒット・パレード、後半は「荒野を歩け」「今を生きて」「ボーイズ&ガールズ」と近年の曲を固める絶妙なセットリストで7曲をプレイ。「Re:Re:」ではいつまでもその音の渦に浸っていたくなる長いイントロを聴かせるなど、音の緩急に満ちたステージでもある。

ラストの「ボーイズ&ガールズ」の曲終わり、ギターやキーボードの音が渦のように鳴る中、後藤正文は「どうもありがとうございました。また、このタフな時代を生き抜いて、どうか幸せな場所で会いましょう、ASIAN KUNG-FU GENERATIONでした」と、挨拶し、音の渦を残したまま、メンバーと共にステージを下りた。

ROCKING TIMEのカバー「ありふれた言葉」でライブをスタートした ハナレグミ は、初期の名曲「家族の風景」、真心ブラザーズのYO-KINGが提供した「祝福」、野田洋次郎が書いた「おあいこ」、Omarのカバー「There’s Nothing Like This」、音源ではBOSEが担当するラップ部分も自分で歌った「Peace Tree」、そして「明日天気になれ」の6曲を弾き語りで届ける。

「祝福」の前に、「新しい会場って、響きが新しいんですよね。だからずっと歌い慣れてる歌も、昨日生まれた歌みたいにして歌えるから、幸せっすね」。そして「高輪ゲートウェイさん、おめでとうございます。この曲で祝福にかえさせていただきます」と、曲に入る。歌い終えると「やっぱり、オーディエンスがいると燃えるね。肉体が目の前にあるっていうのは幸せですね。この肉体感が、今日はスピーカーの向こうに届いている気がする」と、喜びを顕にした。

大阪出身のシンガーソングライター SIRUP は、バイラルヒットとなった“LOOP”など、レアな編成のバンドでありながらも雄弁なサウンドでパフォーマンスを繰り広げた。ジャンルにとらわれない洗練されたサウンドを背景に、多くのリスナーの琴線に触れる繊細なソングライティングで情緒を描き出し、ソウルフルな歌唱とラップを自由に行き来するボーカルも映える。ステージを締め括ったのは、コロナ禍の生活に光を当てる最新シングル曲“Online feat.ROMderful”だった。

そしてトリ、東京スカパラダイスオーケストラ。ライブをやれることがうれしくてしかたないのが伝わってくる、歓喜と興奮に満ちたステージだった。「STROKE OF FATE」「DOWN BEAT STOMP」の連打で始まり正調スカ・ナンバー「Call From Rio」でちょっと落ち着き、「Paradise Has No Border」でまたピークへ。6曲目では、沖祐市がステージ中央に立ち、彼の口笛とアコーディオンが軸になったデビュー・アルバム収録の「君と僕」を演奏する、というサプライズもあり。J-WAVE春のキャンペーン「GOOD MUSIC,GOOD VIBES」の曲として書き下ろした、茂木欣一が歌う「倒れないドミノ」も披露された。ラストは「Dale Dale!〜ダレ・ダレ!」で、本日最大の絶頂へ。メンバーが口々に「ありがとう!」「ありがとう!」「楽しかったよ!」と叫び、手を振ってステージを下りて行くさまが、このライブがいかにかけがえのないものだったかを表していた。

各アーティストのライブレポートの完全版は、「J-WAVE NEWS」にて7月28日以降に掲載予定。

text by
兵庫慎司(7月24日東京ガーデンシアター、7月20日21日22日 J-WAVE NIHONMONO LOUNGE)
小池宏和(7月24日 J-WAVE NIHONMONO LOUNGE)
photo by
三吉ツカサ(7月24日東京ガーデンシアター、7月20日21日22日 J-WAVE NIHONMONO LOUNGE)
安西美樹(7月24日 J-WAVE NIHONMONO LOUNGE)

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