デヴィッド・ボウイ、2000年グラストンベリーでの伝説的ライブを完全版でリリース

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デヴィッド・ボウイの伝説的パフォーマンスを収録したライヴ作品「グラストンベリー 2000」が、11月30日にリリースされる。海外では2CD+DVD、3枚組LP、2枚組CD、そしてデジタル(ハイレゾ配信を含む)というフォーマットでのリリースとなる。なお、日本盤の発売に関しては後日発表となる。

「グラストンベリーのヘッドライナーの中で最高級のパフォーマンスであるだけではなく、全てのフェスティバルの中でも最高級のパフォーマンスだ」─ NME誌

常に時代の先端を走り続け、時代を開拓し続けてきた伝説、デヴィッド・ボウイ。彼の偉大なるキャリアの中でも最大のハイライトの一つともいうべきライヴ・パフォーマンスが、今回初めて完全版という形でリリースされることが決定した。パーロフォン・レコーズがBBCスタジオとグラストンベリー・フェスティバルの協力のもと、2000年6月25日に、地上で最も有名なフェスティバルのヘッドライナーとして登場した。

この「グラストンベリー 2000」には、「火星の生活(原題: Life on Mars?)」や「チェンジズ(原題: Changes)」「レッツ・ダンス(原題: Let’s Dance)」「アンダー・プレッシャー(原題: Under Pressure)」「ヒーローズ(原題:“Heroes”)」「フェイム(原題: Fame)」「チャイナ・ガール(原題: China Girl)」「アッシュズ・トゥ・アッシュズ(原題: Ashes To Ashes)」「ジギー・スターダスト(屈折する星くず)(原題: Ziggy Stardust)」「愛しき反抗(原題: Rebel Rebel)」といったヒット曲を含む、あの伝説の夜にボウイが披露した全21曲が、初めて完全版として音源と映像で収録されている。

このグラストンベリーでのパフォーマンスは、以前30分に編集された映像がTV番組として放送されており、また「ヒーローズ」のライヴ映像も、大きな話題を呼んだ大回顧展「David Bowie Is…」で上映されていたのだが、この夜のパフォーマンスが完全版として発表されるのは、今回が初となる。

また、今作品には、元々Time Out誌のために書かれたデヴィッド・ボウイによるダイアリーも掲載されており、彼独特の語り口で、ショウに向かう心境などを綴っている。

「1990年当時から、俺は20世紀として残された時間を、大掛かりなグレイテスト・ヒッツ・ショウを行なう事なく耐え抜いてきたんだ。あぁ、わかってるよ、ここ最近のショウでも4、5曲くらいのヒット曲はやってきたけどね、でも、大部分の曲はしばらくプレイしてこなかったんだ。ビッグで、みんなに良く知られている曲は、今年のグラストンベリーに火をつけることになるだろうね。まぁ、もちろんちょっとした運命のいたずらもやるつもりだ」

最新マスタリングを施した音源と映像に加え、デヴィッド・ボウイの「グラストンベリー 2000」には、アルバム「ヒーザン(原題: Heathen)」や「ザ・ネクスト・デイ(原題: The Next Day)」、そして「★(ブラックスター)(原題:★)」といったアルバムのアートワークを担当するジョナサン・バーンブルックによる新たなアートワークをフィーチャーしており、著名な作家でありボウイのファンでもあるキャトリン・モラン(The Times誌にこの夜のパフォーマンスのレビューを寄稿している)による原稿も掲載されている。

また、パッケージには、アレキサンダー・マックイーンの、他に類を見ない3/4丈フロック・コートを見事に着こなしたボウイの写真が使われている。

グラストンベリーのオーガナイザーであるエミリー・イーヴィスは、こうコメントしている。

「よく人に、“グラストンベリーの中で誰が最高だった?”と聴かれることがあるんですが、頭に浮かぶのはいつも、デヴィッド・ボウイの2000年のパフォーマンスです。あの巨大な観衆の目を一瞬にして釘づけにしたあのパフォーマンスには、とても魅せられました。ボウイはWorthy Farm(グラストンベリーの会場にもなっている場所)と深い関係があり、71年に初めてグラストンベリーに出演した時のことを話してくれました。農場にある家に宿泊したこととか、太陽が昇り始めた朝6時にパフォーマンスをしたこととか…。とにかく彼は完璧なヘッドライン・パフォーマンスを見せてくれたのです。とても特別で、とてもエモーショナルなショウでした」

エミリーの父親であり、フェスティバルの創立者として1971年にデヴィッド・ボウイと初めて会うこととなったマイケル・イーヴィスは、ボウイを絶賛する。

「彼は間違いなく、世代を超えた偉大なるアーティスト3人のうちの1人だ。その3人とは、フランク・シナトラ、エルヴィス・プレスリー、そしてデヴィッド・ボウイさ」

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