貴水博之、8/22発売貴水博之アルバム「Gimmick Zone」&9/19発売X21シングル「デスティニー」全曲セルフライナートーク第1回を公開

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貴水博之、9/19発売X21シングル「デスティニー」全曲セルフライナートーク第1回

貴水博之が8月22日にニューアルバム「Gimmick Zone」リリースした。仮面ライダーでつながった才能たちが一堂に会し、セルフライナートークが実現した。

貴水博之は言った。「仮面ライダーなしには生まれなかった」と。それが彼のニューアルバム「Gimmick Zone」。貴水は2016年から2017年にかけての「仮面ライダーエグゼイド」で仮面ライダークロノス/檀正宗を演じ、挿入歌も担当した。

その「仮面ライダーエグゼイド」を音楽で支えたのがtearbridge production。avexが誇るクリエイターたちだ。続く「仮面ライダービルド」でも、彼らは力を振う。なかでも、ats-、清水武仁、渡辺徹は、三位一体となり、挿入歌「Ready Go!!」「Evolution」を制作。ヴォーカルは、次世代ユニットX21から選抜されたAXL21。

こうして仮面ライダーでつながった才能たちが一堂に会し、ここにセルフライナートークが実現。すると、徐々にあきらかになる貴水の「Gimmick Zone」とX21のニューシングル「デスティニー」(9月19日発売)の不思議な縁。あるいは貴水自身も驚く楽曲誕生秘話やAXL21の末永真唯と田中珠里の秘めた思い。点と点が線で結ばれていく3回連載。

第1回は、貴水博之ニューアルバム「Gimmick Zone」収録の「Gimmick Zone」から「JUSTICE」までの5曲をピックアップ。これまで連載座談会などで距離を縮めてきた顔ぶれならではの、助走なしのクロストーク。

テキスト:藤井徹貫
写真:阿部薫

M1 Gimmick Zone
Lyrics:貴水博之/Music:渡辺徹/Arrangement:渡辺徹

貴水:自分が歌ってみたい曲、今の自分に必要な曲を、純粋に選びたかったので、誰が作ったとか、音以外の情報はシャット・アウトして、100曲以上集めてもらった候補曲のなかから選んだ1曲。結果、たまたま徹くんの作曲だったのがこれでした。

渡辺:貴水さんから「イントロダクションを付けて欲しい」と、リクエストされて。いくつか資料も提供していただいて。

貴水:そう。僕が求めていたもの、まさにそのものを作ってくれました。

ats-:アーティストの方から何かリクエストされたとき、相手が望んでいる何倍ものものを返さなければならないから、毎日がオーディションです。

貴水:このプロジェクトのリーダーでもあるディレクターの岩渕さんが素晴らしい曲を集めてくださったし、1曲1曲にクリエイターの方々の思いが詰まっているし、僕のリクエストにも真剣に応えてもらったからには、そのすべての思いを受け止め、僕も応えなければと、強く思いました。

末永:このアルバム・タイトル曲は、音が鳴り始めた瞬間、おお!となりました。やっぱりアルバムの1曲目は大事だと、改めて思いました。

田中:私は、アルバムを通してひとつの物語になっているような印象でした。この最初の1曲で、その物語の世界に吸い込まれる気がしました。

M2 Wish in the dark
Lyrics:森月キャス、Mio Aoyama/Music:清水武仁/Arrangement:渡辺徹

貴水:僕が出演した「仮面ライダーエグゼイド」の挿入歌だね。ヴォーカルを入れる前のオケを聴かせてもらったとき、しーちゃんって凄いと、改めて思った(笑)。accessやソロのライブでは、サポート・ギタリストとして、20年以上の付き合いだけど、自分のことはあまり話さないよね。

清水:自分からアウト・プットはしないかな。「仮面ライダーエグゼイド」の劇伴も、HIROのツアーとマルかぶりしていたので、ディレクターから「曲作りできる準備して、ツアーに行ってください」と、きつく言われていたけどね(笑)。みたいに切羽詰まっていたことも、HIROには言わなかった。

貴水:どうりで僕のライブでは、ギターを弾いているようで、休んでいることが多かったような(笑)。

清水:弾いてたよ(笑)。

貴水:ドラマとかの挿入歌を歌う機会は、そうそうあるものではないし、ましてや仮面ライダーだから、せっかくだから、とは思っていたよね。せっかくだから、accessと同じでは面白くない。せっかくだから、これまでのソロと同じでも面白くない。せっかくだから、この曲に今の自分をぶつけてみとうと。だから、チャレンジャー精神を持って歌いました。自分のなかでは、新しいアプローチがいくつもあって…。

清水:新しいアプローチ?具体的には?

貴水:内緒(笑)。でも、20代の頃より、新しさに貪欲になっているのは事実。何かをするとき、新しい何かを掴みたい欲求が強くなっている気がする。どんなことでもかまわないから、自分にとって新しいものを得ようとしているよね。その気持ちがこの曲にも現れていると、自分では思うよ。何事も経験することは大事。でも、経験値が増えると、いろいろなことを経験値で処理してしまいがちになるじゃない?それは危険。自分を振り返ったとき、そうなりそうな時期があったのではないかと…。こういう新たな出会いと新たなコラボレーションがあったからこそ、気づかせてもらえました。

田中:この曲は、アップテンポなのに、貴水さんのヴォーカルは、歌詞がなめらかに聴こえました。どうしたら、そう歌えるのか不思議でした。何かコツがあるのか…。

貴水:それも内緒(笑)。ただ、ひとつ言えるとしたら、自分の個性を伸ばしていくのは大事なことだよね、きっと。

M3 Burning My Soul(ats-,清水武仁&渡辺徹Feat.貴水博之&AXL21)
Lyrics:BOUNCEBACK/Music:ats-,清水武仁&渡辺徹/Arrangement:ats-,清水武仁&渡辺徹
Sound Produce:Avex Management Inc.,岩渕優輝

貴水:「仮面ライダービルド」挿入歌「Burning My Soul」のカバーだね。

清水:そう。僕たちが「仮面ライダービルド」の挿入歌をやらせてもらえることは決まったけど、アイドルグループが歌うのはNGで、企画趣旨、楽曲、使用シーンに求められる条件をクリアする必要があった。

渡辺:その条件をクリアするため、X21のメンバー全員に歌ってもらい、選抜オーディションをしました。

ats-:ただ、グループの名前も変えないといけない条件だったので、ライダーっぽさとX21を感じさせる名前ということでAXL(アクセル)21。
挿入歌からX21の活動をより「加速」させたいという思いもあったみたいです。

貴水:AXL21メンバーの選考ポイントは?

ats-:僕の選考ポイントは、子音の強さでした。こういうハードなギターの曲だと、子音が弱いと、何を歌っているのか伝わらないので。

渡辺:僕は、声のキャラクターですかね。歌を俯瞰したとき、ここにはこういう声質が欲しいと、イメージがあったので。

清水:オーディションの時点で、自分なりに曲を解釈して歌ってくれたメンバーもいて、そこまで前向きに取り組んでくれたことに感激したよね。そのなかでも完成度が高い人を選んだら、このお二人がメインヴォーカルになったと。

田中:細かい説明があったわけではなく、これを歌うので覚えてきてね、くらいでした(笑)。だから、事の大きさを知らないまま歌いました。

貴水:僕が好きだったのは、彼女たちの♪Burning My Soul。フーッみたいな語尾が特に好き(笑)。あれは誰?

末永:私です。

貴水:あと、♪なんのために傷つけ…。あそこもグッときた。

田中:そこは私です(笑)。いつもとは全然違うので、戸惑いもあったレコーディングでした。普段が可愛いなら、これは格好いい。その差が難しかったです。ディレクターさんから、こういう気持ちで歌ってみて、と言われたけど…。言われるたび、ムカついて(笑)。

ats-:ムカついている相手は、自分だよね。言われたことを、思っているようにできない自分にムカついた。

田中:その通りです。

末永:レコーディングは、珠里が先で。私がスタジオに着いたら、今まで見たことないくらいグッタリしていました(笑)。

貴水:いじけるよりムカつくのは全然いいじゃん。ポジティブだし。

M4 piece of truth
Lyrics:貴水博之/Music::大西克巳/Arrangement:大西克巳

貴水:バラードはこれと、最初に聴いたときに決めていた曲。憂いがありながらも、美しさを感じたから。実は、もう2曲、有力候補があったので、できるなら、キープしておいてもらいたい(笑)。3曲のなかで、この曲にした理由は…。今、歌うならこれ、という直感。今とは、ここにいる真唯ちゃんや珠里ちゃんの年頃だった時代を比べると、振り返ることも増えてきた現在。人生のリグレットのような思いがよぎることもあるし。そういう今の自分の気持ちに寄り添ってくれる曲です。

田中:基本的にバラードが好きなので、聴きながらうっとりしちゃいました。

末永:大人のバラードというか、深みを感じました。貴水さん自身が経験されてきたことが歌詞にも出ていると思うので、同世代のシンガーソングライターの方が書くバラードより深みを感じたのだと思います。

貴水:20代の頃に書いた歌詞は、あの頃にしか書けなかったから、悔いはないけど、どうしてもどこかで格好良く思われたい気持ちが顔を覗かせているね(笑)。今、振り返るとね。それが25年も経つと、自分の至らない点も自覚できているから、そこをさらけ出してもいいかなと思えるようになった。本当に最近のことだけど。

M5 JUSTICE
Lyrics:Mio Aoyama/Music:夏海/Arrangement:清水武仁&渡辺徹

貴水:「Wish in the dark」同様、「仮面ライダーエグゼイド」の挿入歌。

清水:自分以外の方が作曲した曲をアレンジするとき、大きく分けて3つ方向性がある。デモ音源に近い形にするか、アレンジで大幅に方向性を変えるか、その中間か。

ats-:この音とか、このフレーズとか、具体的なものではなく、肌触り感とか、空気感のようなものだけ残してみたりすることもあるよね。

渡辺:この曲は、アレンジで大幅に方向性を変えました。ゼロから構築し直しました。

清水:ただ、挿入歌の場合、僕らが作っている段階では、番組の中で、どの箇所をどれくらいの長さで使ってもらえるかはわからないから。ドキドキもあります。

貴水:僕が聴いたのは、もう二人がアレンジしたバージョンだったよね。「Wish in the dark」よりグイグイ感が強い印象だった。

清水:HIROは、去年のツアーで、「Wish in the dark」とこの「JUSTICE」は、歌ったよね。あのときのお客さんの反応を見ていたら、「JUSTICE」は、貴水博之ライブにきてくれている人たちにとっては、すごく安心できる1曲という印象だった。

末永:サビに入る前の音が印象的でした。

清水:あのオケヒ(オーケストラヒット)は徹ちゃんだ(笑)。

渡辺:ありがとうございます。

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