GRAPEVINEとマカロニえんぴつが横浜で激突、2マンイベント「LIVE HOLIC vol.24」開催

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スペースシャワーTVとぴあとKDDI(au)が手がける直感エンタメサイト「uP!!!」が主催するライブイベント「uP!!!SPECIAL LIVE HOLIC vol.24 supported by SPACE SHOWER TV」が9月22日に神奈川・横浜ベイホールにて開催された。

「LIVE HOLIC」とは“今”の日本の音楽シーンになくてはならない圧倒的存在感を誇るアーティストによる2マンイベント。2019年3月にはイベントの5周年を記念し、過去の出演者が幕張メッセイベントホール2DAYS&大阪なんばHatchに集った。

今回の横浜公演には、1993年の活動開始以降、数々の代表作を世に送り出し続けているロックバンドGRAPEVINEと、2012年に神奈川で結成された、今一番注目を集めている新星バンド・マカロニえんぴつの2組が出演。この2マンライブは「LIVE HOLIC」が初であり、より一層注目を集めた公演となった。

最初に登場したのはマカロニえんぴつ。まず最初に「愛の手」でボーカル&ギターのはっとりの声が会場に大きく主張していくと、「トリコになれ」「girl my friend」とテンポを速め、メリハリのある楽曲たちが会場のボルテージを上げていく。

MCではっとりは、「私ボーカルはっとり、GRAPEVINEの大ファンでございまして。今回これが実現したときに、スぺシャと今まで癒着してきてよかったなと心から思いました(笑)」とGRAPEVINEへの強い思いとSPACE SHOWER TVへの感謝の思いを打ち明けた。

そのGRAPEVINEへのリスペクトを表すように、本編の中盤で披露したのはGRAPEVINEの代表曲ともいえる「光について」のカバー。明るく楽しく優しいスタイルを醸し出しながら軽快にライブアクトを続ける彼らが、さらっとカバーも披露してしまう姿を目撃すると、バンドがさらに大きなスケールと厚みを持って成長していくことを期待せずにはいられない。

本編の終盤ではマカロニえんぴつの最新曲「ヤングアダルト」も披露。Aメロの淡々とした曲調から、大きな包容力を持ったサビへと移っていくこの曲に対するオーディエンスの眼差しは、この曲が彼らにとっての新しいアンセムになることを予感させるものだった。そして、1stフルアルバムのラストに収録されている楽曲「春の嵐」を披露してマカロニえんぴつのライブは終演。国内外の様々なアーティストへのリスペクトを感じさせながらも、マカロニえんぴつ独自のサウンドを見事に奏で切ったステージとなった。

2組目に登場したのはもちろんGRAPEVINE。1曲目の「Glare」が披露されるや否や、バスドラの強い低音によって圧倒的な空気を会場に生み出す。しかし、その低音が孤立することなく、すべてのサウンドと田中の歌声が完璧な調和をもって会場に鳴り響いた。それは、「COME ON」のアウトロでギター・ベース・ドラムが荒々しく演奏されたときも同様であり、大きな歓声と拍手が沸き起こった。

「COME ON」を披露し終えると田中は、「一言お礼を言わせていただきます。uP!!!ありがとう!今日の対バンはマカロニえんぴつ、略して“マんぴつ”。マんぴつ、ありがとう!」とコメントし、さらに「皆さんが何と略しているのか知りませんけど、私はマんぴつと、これからもしっかり呼んでですね、愛でていきたいなと思います」と、後輩からのリスペクトにしっかり応えた。

GRAPEVINEのオリジナルなサウンドが会場を支配する中、6曲目に披露したのは「God Only Knows」。オーディエンスの身体は思い思いに上下し、その頭の上下運動がクラウドにランダムな波を起こし、大きなうねりを生み出した。さらに、「すべてのありふれた光」の優雅なメロディでオーディエンスを魅了した後も、「BLUE BACK」で再度大きなうねりを引き起こす。本編最後に披露した「Arma」では、彼らのサウンドが伸びやかに広がり、50分ほど続いたGRAPEVINEのダイナミックなライブに決定的なラストを与えた。

アンコールでは、“マんぴつ”と言うのに飽きた田中が「“マカ”の二人に(来てもらいましょう)、はっとりくんと長谷川くん!」と、はっとりとキーボード&コーラスの長谷川を招き入れ、彼らと一緒に「風待ち」「HOPE」を披露した。特に「HOPE」では、はっとりが田中から教育されたシャウトを遺憾なく発揮し、そのシャウトを見つめる田中の顔の柔和さが非常に印象的であった。最後は長谷川のキーボードも自由さを増し、演奏が終了すると、2バンドが生み出したマジックなステージへ割れんばかりの大拍手と大歓声が生まれた。

様々なコンテンツへ簡単にアクセスできるようになった今の時代に、“世代”という言葉は昔より意味を持たなくなってきている。マカロニえんぴつとGRAPEVINEという異なる世代の2バンドが織りなした今夜のステージは、音楽における新たな関係性の構築を考えずにはいられない公演となった。

なお、この日のライブ模様は10月25日の22:00よりスペースシャワーTVで放送される予定となっている。

(取材・文=太田明宏/撮影=AZUSATAKADA)

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