氷川きよし、WOWOW特番放送に先駆けインタビュー公開「『自分がいるから大丈夫だよ』と伝えられるような歌を歌っていきたい」

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2019年、デビュー20周年イヤーに突入した演歌界のプリンス・氷川きよしの42歳の誕生日9月6日に行なわれる、初の大阪城ホール単独公演の模様と、特番「ヴォーカリスト 氷川きよしの魅力」がWOWOWで放送されるが、それに先駆けオフィシャルインタビューが公開された。

氷川きよし インタビュー
王道の演歌はもちろん、ポップス、近年ではヴィジュアル系ロック調のパフォーマンスにまで表現の幅を広げている氷川きよし。華麗なキャリアを積み重ねデビュー20 周年を迎えた“演歌界のプリンス”は今、自身の活動史をどう振り返り、何を思うのか?

――20 年の活動を振り返って、転機を迎えたのはいつ頃ですか?
デビュー15 周年の頃ですね。日本武道館で記念コンサート(2014 年)をして、その後に喉のポリープ除去手術を受けまして。実はそれまで 10 年近く喉が傷んだ状態で歌っていたので、ずっと辛かったんです。でも手術して以降、元の音域に戻って高音も使えるようになってきたので、演歌以外にもロックやポップスなど、歌う幅が広がりました。だから、15周年以降はいろいろと変わっていきましたね。

――デビュー時は 22 歳で、今や 40 代に。年齢を重ねるにつれ、歌に対する意識はどう変わって来られましたか?
演歌でデビューして、ありがたいことに皆さんに受け入れていただけて、歌の世界に青春を捧げていました。でも、求められるイメージに追い付いていくのに精いっぱいで……。年齢を重ねるごとに、もっと自分らしくでいいかな…と感じるようになってきたんです。そこで、人間としての自分自身を表現するために、どうしようかな?と考えた時、「もっといろんな歌を歌っていきたい」と思うようになりました。そのタイミングで GReeeeN さんとのコラボレーション曲「碧し」や、「限界突破×サバイバー」など、思い切り想いをストレートに表現できる曲に出会って、自分の殻を破り、演歌というジャンルを超えて。そこでまた成長できるな、とも思ったんです。

――「限界突破×サバイバー」は、ヴィジュアル系ロックミュージシャンを思わせる表現が今、大きな話題となっています。
元々「限界突破×サバイバー」は、今とは違うヴィジュアルで見せていた曲なんです。森雪之丞先生が書いてくださっている歌詞もすごく素敵で、「限界を突破して可能性を広げよう」というメッセージをちゃんと残したい、伝えたいと改めて思ったんですね。そこで、まずは「自分を表現しよう」という方向性に決めた時に、今のような見せ方を思いつきました。アイシャドウを真っ黒に塗って、髪を振り乱し、ボディスーツみたいな衣装で、「自分らしく思い切りやろう!」と発想を転換したんです。それで演歌とのギャップが出た時に、皆さんが「何、何?!」と盛り上がってくださって。やはり注目していただけるのはうれしいですよね。そうやって「あれ?」と驚かせるのが好きなんです。

――最新シングルの「大丈夫」は演歌でありながら、パフォーマンスは型破りです。そのようにアレンジを施しながら、演歌も歌い続けていかれるのでしょうか?
ジャンルにこだわらず、いろいろ挑戦していきたいですね。その中で演歌を歌ってももちろんいいわけですし、演歌で勉強をさせてもらったからこそ自分の今があるので、ファンの方に感謝して、演歌作品はこれからも歌っていきます。1回の人生だから、悔いなく好きなように自然体で生きたほうがいいと思うんですよ。年齢と共に「もう時間がない」と思ってしまうので、「人にどう思われるか」より「自分がどう生きるか」が大切だな、と。それを訴えていけるのが歌の力でもあると思っています。伝えたいことを歌詞に綴って、訴えて、皆さんを鼓舞したいですし。今はネット社会でいろんな情報が飛び交っていて、何が本当で何が嘘か分からない、皆生き方が分からない時代だと思うんです。だからこそ、「自分がいるから大丈夫だよ」と伝えられるような歌を歌っていきたいなと思っています。

――20周年記念全国ツアーが続行中ですが、今のところ手応えはいかがですか?
昼夜2回公演をしていて、東京から離れれば離れるほど、平日の昼の部はやはりご高齢の方がおられるんですね。「限界突破×サバイバー」も公式 YouTube で公開しているあの通り、思い切りパフォーマンスしているんですけど、皆さん目が点になっています(笑)。その反応が面白くて「もっと激しくやろう!」という気持ちになります。でも、皆さん一度ご覧になって慣れたら免疫ができるから、ハマッてしまわれるんですよ。先日は握手会で 1000人の方と握手したんですが、「『限界突破×サバイバー』最高ね! もっとロック歌って!」と 70 代ぐらいのファンの方に言っていただきました(笑)。

――9月6日、42歳のお誕生日に大阪城ホールで記念コンサートを開催、WOWOWでその模様が10月に放送されます。見どころなどをお聞かせください。
誕生日だと、お越しくださるファンの方に気を遣わせるのが、自分としては申し訳なくて。「お気持ちだけ十分です。プレゼントは本当に要らないので、手ぶらで来てください」「3時間半で曲数が 44 曲あるので、歌だけ聴いてくれたらいいですよ」とステージでお願いしています。日本武道館公演(7 月 11 日・12 日)とは部分的に曲も変えていますので、楽しみにしていてください!

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