Chage、約2年ぶりのライブツアー「Boot up!!」東京公演をWOWOWプラスにて独占放送

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(C)SHOICHI FUKUMORI

Chage約2年ぶりとなるライブツアー「Chage Live Tour 2021~Boot up!!~」9月18日東京・豊洲PIT公演の模様を10月31日19:00よりWOWOWプラスにて独占放送する。

当初は、2020年にリリースしたアルバム「Boot up!!」を引っ提げてのライブになる予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を鑑みて、一旦は開催を断念。だが、常々「アルバムはライブで完結する」と公言しているChage。今回のツアーでは、観客同士の密接を回避するため収容人数を減らし、ファンがチケットを購入できないケースを避けるため、公演時間を短縮し、初日の福岡を除く各会場は1日2回公演という異例の試みで、1年越しのライブ開催が実現した。

東京公演初日となった9月18日の東京・豊洲PIT 夜公演。天井が高く広いライブハウスには、長年Chageを支えてきたファンたちが集結し、登場を待ちわびていた。ステージ上方から照らされるブルーの照明が「CHAGE」の文字になっているという、スタッフの粋な演出も。

開演とともに客電が落ち、水色のスーツに白いハット姿のChageが登場すると、早くも観客は総立ちとなり、声援が送れない分、これ以上ない大きな拍手で出迎えた。1曲目「それが愛ならOK」で弾けまくったあとは、ジャジーでアダルト・ムードの「swing&groove」へ。コーラスのYUKOとの軽妙な掛け合いを見せつつ、歌い終えると「よーこそ!いらっしゃいました!」といつもと変わらぬ元気いっぱいのChageが、満面の笑顔で観客に挨拶。「立ち上がるのがせいぜいで、縛りの多いライブ。声が出せないのが辛いよね」と観客を気遣うトークも。冒頭の2曲はもちろん、昨年発売のアルバム「Boot up!!」からだが、「3曲目と言えばこの曲!」と、同アルバムから「No.3」を披露。さらに「CATCH & RELEASE」を歌い終えると、総立ちの観客に着席するように促し、自身も座ってのトーク。

「トゲトゲした世の中だから、機嫌が悪い歌を歌います!」

そして始まったのが「機嫌が悪いの」。Chageが1989年に、MULTIMAX名義でリリースした最初のアルバム「HEAVEN」に収録され、ファンに長年愛され続けたナンバーだ。アコギを抱えたChageに合わせ、ベースもダブルベースへ。アコースティックな演奏で、聴き手を魅了する。

後半のハイライトは、夏をイメージさせる2曲だ。レゲエのリズムが爽快な「僕だけのピンナップガール」で楽しそうにメンバーと踊り歌ったあとは、石川優子とのデュエットで1984年に大ヒットを記録した「ふたりの愛ランド」を、YUKOとのデュエットで。リリースから37年、誰もが知る名曲が、一層エッジの効いたロック・ビートにアレンジされ、サビの「夏 夏 ナツ ナツ」のパートでは、観客も腕を振って応援。去りゆく夏を惜しむ、熱い2曲で最高の盛り上がりをみせた。

本編ラストに配されたのは、「Boot up!!」からの先行配信シングルとなった「君に逢いたいだけ」。コロナ禍の影響で、人前で歌うことも、ファンに会うこともできない状況が続き、アーティストとして経験したことのない現状を乗り越え、歌を届けたいというChageの熱い思いが具現化した1曲だ。再びファンと会えた喜びを互いに噛み締めつつ、ステージは一度終了。大きな拍手からアンコールを求める手拍子へと変わると、再び登場したChageは、まずはピアノの力石理江を呼び込み2人きりの演奏に。これはChageが自身のオフィシャルスマホアプリで配信しているTaku-Roku(宅録)をステージで再現する試みで、選ばれた楽曲は、大瀧詠一の名曲「君は天然色」だった。演奏が終わると会場は大きな拍手に包まれる。そして再びバンドメンバーを呼び込み、「まわせ大きな地球儀」を。レゲエのコンサートのように、観客もタオルを振り回して応え、アーティストと観客が一体化した、熱気に満ち溢れたステージとなった。

最後は「Kitsch Kiss Yeah Yeah」で締め、「また逢おうね!」の挨拶とともにコンサートは終了。声援こそ出せないものの、手拍子と拍手で終始ステージを盛り上げた観客に、いつまでも手を振り続けるChageの姿が印象的であった。

なお、WOWOWプラスでの放送では、ライブの模様に加え、Chageのスペシャル・インタビューが随所に挟まる構成で、今のライブ活動への思い、ファンへのメッセージなどが語られる。

文=馬飼野元宏

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